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Pick up Interview 内野聖陽

“to be, or not to be”と、悩み、彷徨っている部分を魅力的に出せればいい

  『ロミオとジュリエット』『ヴェニスの商人』などの有名作品を世に送り出した劇作家ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』が4月に舞台で公演される。主演を務めるのは、昨年大河ドラマ『真田丸』での徳川家康役が記憶に新しい内野聖陽さん。1600年ごろに書かれたと推定されるこの作品は、世界中でドラマ・映画・舞台化されるほど人気が高い。そんなハムレットを演じることをどう感じているのだろうか。
「ハムレットは、俳優にとって大きな挑戦と言われがちですよね。それは台詞の量とキャラクターが抱えている心の複雑さもあるでしょうし…。僕自身も役者としていつかはやりたいけれど、時が来なければ自分からは手が出せない作品だと思っていました。でも、演出家のジョンが『ハムレットには哲学的なテーマがとても隠されていて、その部分を理解し、表現できるのは、ウッチーだ!』とおっしゃってくださったので、好機到来と思い決めました」
 ジョン・ケアード。傑作ミュージカル「レ・ミゼラブル」オリジナル版の演出で名を轟かせ、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクターとして様々なシェイクスピア劇を手掛けてきたシェイクスピアの専門家。
「ジョンという人は、シェイクスピアに関してはもう、“教授”です!造詣が深すぎてびっくり。彼にシェイクスピアを語らせたらもう止まらないね。そんなジョンとなら、わかりやすくて見やすいハムレットがつくれるんじゃないかという期待が膨らんでいます。僕が思うには、ハムレットってすごく人間くさいヤツなんですよね。名台詞でもあるけれど“to be, or not to be”っていつも悩んでいて、迷い彷徨っている部分を魅力的に出せれば、観る人ももっと共感できるハムレットになるんじゃないかと」
 シェイクスピアを日本で上演するときに、1番のハードルとなるのは原語でできないということ。
「今回は、RSC(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)のジョンとの作業で、オリジナルの持つイメージに限りなく近づくことができるだろうし、今までの日本公演を凌ぐ、『ハムレット』の根源的な世界をお見せできることは間違いありません。ただそこまで到達するためには、どれだけベストな日本語を選んで、ジョンが持っている考え方を日本の皆様に伝えられるかというところが戦いになってくると思います」
 ジョンと出演者、そして翻訳家と本番直前まで“to be, or not to be”と議論が続きそうだが、「理屈抜きに、これは絶対にいいものになると信じています。内野がやるハムレットであり、このメンツがやるハムレットであり、ジョン・ケアードという演出家がやるハムレット。そこに期待してくれとしか言いようがありませんね(笑)」
 と、力強くて深い意気込みを見せてくれた役者・内野聖陽が演じるハムレットを早く観たいと思わせるのは、流石だなと感心してしまう。
「僕にとって芝居っていうのは外見とかルックスを見せるものじゃなくて、“魂”を見せる場。だからこそ、際限なく求め続けられる道なんです。そして、舞台は特にその人間力みたいなものが、ダイレクトに試される場です。だからこそ、徹底的に演じる人物のみならず、自分自身にも磨きをかけていきたいなと思っています。男性も女性も内面が輝いている人って、とても魅力を感じますものね。そうなれるように自分の道に全力で取り組んでいきたいと思っています。


TEXT / Ikumi A ihara
PHOTO / Isamu Ebisawa
HAIR&MAKE / Yuko Sato (Studio AD)
STYLIST / Kan Nakagawara(CaNN)

Profile
Profile/1968年9月16日生まれ。1993年にドラマ『街角』でデビューを果たし、1996年にはNHK朝の連続テレビ小説『ふたりっ子』に出演。2007年にはNHK大河ドラマ『風林火山』で主役の山本勘助を演じた。以降、舞台・TVドラマ・映画など、多くの作品に出演。役者としての受賞歴も数々ある実力派。


Vegas『ハムレット』
 作/ウィリアム・シェイクスピア  上演台本/ジョン・ケアード、今井麻緒子(松岡和子訳に基づく)  音楽・演奏/藤原道山  出演/内野聖陽、貫地谷しほり、北村有起哉、  加藤和樹、浅野ゆう子、 國村隼 他  公演/4月9日(日)~28(金)  劇場/東京芸術劇場プレイハウス



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