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Pick up Interview 上川隆也

これまでに見たこともない『魔界転生』をお届けするために
全身全霊で挑みたいと思います

 壮大なスケールと雄大な歴史ロマン、そして奇抜かつ摩訶不思議な展開で時空を超えたアクション・エンターテインメントの最高傑作といわれる『魔界転生』。これまでに幾度も映画や舞台化された人気作品が堤幸彦演出、マキノノゾミ脚本の強力タッグで蘇る。不朽の名作に新たな命を吹き込むべく、主演に抜擢されたのが上川隆也さんだ。
 「オファーを頂いたときは“まさか”のひとことでした。映像作品で柳生十兵衛を演じた事はありましたが、よもや『魔界転生の柳生十兵衛役』は自分に巡ってくるはずがない役柄のひとつだと思っていたので、本当に驚きました。それに正直、過去に幾度も舞台化された作品ではありますが、今回はどのような形になるのかが想像できなかったんです。でもそれを担われるのが堤さんとマキノさんだということも同時にお伺いして、もしかしたら想像が及ばないのは僕だけで、僕には思い至れないような、これまでの柳生十兵衛とはまったく違う何かが生まれるのではないかという兆しを感じて、そこに強く惹かれる自分がいました。併せて、このような素晴らしいスタッフはじめ、豪華なキャストの方たちと巡り会う機会を逃したくないという思いが生まれ、次の瞬間には“やります”とお答えしていました。ここまでの逡巡を客観的に見たら、ほんの0・数秒の出来事だったと思います(笑)」
 想像もつかないという新・柳生十兵衛。上川さんの中ではどんなキャラクターにしたいのかを伺うと。
 「まだ脚本もできていないので、自分の中でも曖昧だったのですが、先日の記者会見での堤さんは“ひょうひょうとした人間らしい十兵衛にしたい”とおっしゃたんです。その言葉である意味霧が晴れたような気がしました。明日の命もわからないという緊迫した状況の中で、それでも『ひょうひょう』としていられる十兵衛という男。それはとても魅力的だと思えたものですから。それが僕にとっての最初の手がかりになるでしょうし、最期まで核となる部分だろうと思っています」
 天草四郎役には溝端淳平、柳生十兵衛の父には松平健。ほかにも舞台経験豊富な高岡早紀や浅野ゆう子など、豪華な顔ぶれにも注目が集まっている。
 「舞台は僕一人が孤軍奮闘して作るものではありません。共演者はみなさん頼りがいのある方々で、この仲間と一緒に臨むのなら、堤さんが造り上げようとしていらっしゃる舞台がそれこそ無理難題なものだとしても、それに迫っていけると思っています」
 ストーリーは島原の乱で無念の死を遂げた天草四郎が『魔界転生』の死者再生の術を使ってこの世に蘇り、幕府への復讐を決意するところから始まる。そこで上川さんに“これをせずには死に切れないこと”を聞いてみると。
 「愛犬の死を見届けることです。うちには現在8歳の保護犬が1匹います。牝の雑種ですが、これまでに数え切れないほどの心和む時間を与えてもらいました。それに報いるためにも、彼女の命には寄り添っていたい。目の当たりにしたらペットロスになることは目に見えているんですが、あの子が命を全うする瞬間は傍らで過ごしたいです」
 最後にこれから作り上げられる『魔界転生』への意気込みを伺うと。
 「堤さんがおっしゃっていた“誰も見たこともないような舞台”を僕らは全身全霊で実現させたいと思います。お客様には、ただ純粋に楽しむ為だけに劇場にお出で頂きたい。そして劇場を後にしたときに、“お客様の明日が少し軽くなる”様な、何かしらのパワーをお持ち帰り頂ける作品にしたいと思っています」


TEXT / Satoko Nemoto
PHOTO / Isamu Ebisawa
STYLIST / Kunihiko Kuroda
衣装/Losguapos For Stylist tel03-6427-8654

Profile/1965年生まれ。1989年、演劇集団キャラメルボックスに入団。1995年NHKドラマ『大地の子』に主演し注目を浴びる。1998年には映画『梟の城 owl’s castle』で第23回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。『功名が辻』『花咲舞が黙ってない』『エンジェル・ハート』など、数多くの映画、ドラマ、舞台に出演。7月からは主演ドラマ『遺留捜査』の第5シリーズがスタートしている。

Vegas日本テレビ開局65年記念舞台「魔界転生」
 原作/山田風太郎(角川文庫刊) 脚本/マキノノゾミ 演出/堤幸彦
 出演/上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、浅野ゆう子、松平健 他
 福岡公演/10月6日(土)~28日(日) 博多座
 博多座電話予約センター tel092-263-5555
 東京公演/11月3日(土・祝)~27日(火) 明治座
 明治座チケットセンター tel03-3666-6666
 大阪公演/12月9日(日)~14日(金) 梅田芸術劇場
 梅田芸術劇場 tel06-6377-3800


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