
新たな演出で復活する、30-DELUXの最高傑作『デスティニー -アドラメレクの鏡-』
30-DELUX Special Theater 2025「デスティニー -アドラメレクの鏡-」
2024.02.17 サンシャイン劇場 登壇者:佐藤アツヒロ、鈴木達央、瀬戸かずや、今江大地、緒月遠麻、林明寛、清水順
製作発表記者会見では、前作に続き主演を務める、元光GENJIの佐藤アツヒロさんをはじめ、共演者の今江大地さんや製作総指揮で語り部役の清水順二さんらが登壇。
製作発表の中サプライズで殺陣のリクエストもあり、即興で殺陣を披露する場面も。
後輩・今江大地との一騎打ちに注目して楽しんでもらえたら

演劇ユニット「30-DELUX」の代表作「デスティニー」が、12年ぶりにカムバック。4月18日から始まる東京公演を皮切りに全国5都市で上演される。本作は2011年に初演、2013年に再演され、合わせて延べ3万人を動員した人気作品。
“台詞と殺陣”が融合した“アクションプレイ”として、新たなジャンルを確立した演劇ユニット「30-DELUX」の原点とも言うべき作品だ。今回も主演を演じるのは佐藤アツヒロさん。初演から3度目のジン&テムジン役となる。
作品の舞台は大盗賊団「ゴンタル」の圧倒的勢力により追いつめられた小国「ライカ」。悪魔シャイターンとの契約により新たな体を手にした青年ジンが、“テムジン”として英雄の座に登りつめるさまが描かれていく。
製作発表会には佐藤アツヒロさんをはじめ、ナルキス役の今江大地さん、ユミン役の瀬戸かずやさん、シャイターン役の鈴木達央さん、タムトック役の緒月遠麻さん、そして、脚色・演出を担う林明寛さん、製作総指揮で語り部役の清水順二さんと豪華キャストが登壇。
ベルゲンタール役の田中精さんがMCを務め、まずはそれぞれが意気込みを語るところからスタートした。

「今回で3回目になりますが、また初演のような気持ちで臨みたいと思っています。僕たちが楽しめばお客さんも楽しめると思うので、和気あいあいでやりたいですね」と佐藤さんが意気込みを語ると、瀬戸さんは「二度の再演を経て、たくさんの方の熱い思いの込められたこの「デスティニー」に今回参加できることをとても嬉しく思います」と続ける。
さらに、「今回脚色が変わり、とても芯のある強い女性というイメージをユミンから感じました。彼女なりの強い信念や葛藤を目まぐるしく変わる場面や殺陣の中で表現し、皆様からのバトンをしっかり受け取らないといけないので、難しいと感じています」とキャラクター性が変化したユミンへの思いを明らかに。
普段、声優の仕事をメインとされている鈴木さんは「今回は舞台という自分でも新たな挑戦の場所になっています。
また違ったスパイスとなれるような芝居をお届けできたらと思っております!」と語り、緒月さんは「全編男性役ということで、最後まで気を引き締めて頑張りたいです。
宝塚を退団して、今回のように将軍という役柄をやることは滅多にないので、男性の中に紛れても違和感がないようにしたいです」と意気込みを語った。

「この歴史ある「デスティニー」に携わらせていただけて、とても感謝しております。過去最高の作品になるよう全力を尽くしたいと思います」と語るのは、語り部役を務める30-DELUX製作総指揮の清水さんだ。
「結成して今年で23年を迎え、30年、40年と続く劇団にしたいという思いで、気合を入れて作っていきます」と力を込めると、「では最後に…」と挨拶をしようとしたMCの田中さんに「ちょっと待って!」とキャスト陣からストップの声が。
そこには挨拶の順番を飛ばされてしまい、苦笑いを浮かべる今江さんと「やってしまった…。ごめんなさい! 申し訳ございません!」と慌てる田中さん。
そんな姿を見て、キャスト陣が「最初からやり直す?」「MC変わろうか?」とちゃかす場面もあり、現場はまさに佐藤さんの言う通り「和気あいあい」な雰囲気に。
改めて今江さんが「自分らしく、精一杯頑張りたいです。真っ直ぐな性格の青年を演じるので、自分らしく、アツヒロさんのことが好きな気持ちも素直に出していけたらいいなと思っています」とまとめると、田中さんが「本当にもう、すみません! 劇中ではベルゲンタール役として舞台を盛り上げますのでどうぞよろしくお願いします!」と頭を下げて笑いを誘った。

この魅力的なキャスティングに対し、製作総指揮の清水さんは、「アイドル、声優、舞台俳優、映像をやっている方など、エンタメ業界の様々なジャンルを集めるのが好き。
大阪、名古屋、東京と3都市に分けて製作を行っている中で、この人いいなと思った方を全員東京に集めました。東京でもともとやっているアツヒロさんを中心に、名古屋、大阪の方がそこに攻め込んでくるような、東名阪のエンタメ業界のスターを集めた感じです」と清水さん。
後輩の今江さんについて聞かれた佐藤さんは「大地は本当に真面目。役作りを完成させるためにひたむきな努力で頑張っていてすごいと思いますね。
でも筋トレで仕上げたカラダを裸になって見せてくれたことあるのですが、医者役にその筋肉は必要ないだろ! と笑ったことがあります」と過去のエピソードを披露。
一方、今江さんは佐藤さんについて「事務所の先輩なのにフラットに同じ目線で話してくれるのがすごく嬉しい。始めから“アツ兄”と呼んでいいよと言ってくださって、そう呼ばせてもらってます」と仲の良さを明かすと「大先輩って意識させたくない」と佐藤さん。
「この前、後輩たちとTikTok撮影をしたのですが、すごく丁寧に“ご一緒してくださいますか?”と誘われて。だから“いいよ、いいよ! 全然大丈夫、やろうやろう!”と引き受けました。
先輩・後輩の壁はない方が好きなので、自分から壊すようにしています」とエピソードを語ると、今江さんに「前回共演したときはあんまり“わいわい”できなかったから、今回はいっぱいご飯行こうね」とお誘いを。
それを受けた今江さんは「はい! ぜひ行きましょう!」と即答。先輩・後輩の仲の良さが伺えるワンシーンだった。

そして豪華キャストと共に注目したいのがこだわりの詰まった衣装だ。「いつも本当にめちゃくちゃ凝ってる」と話してくれた佐藤さんはご自身の衣装の横に立ち「悪魔に乗っ取られているので赤と黒でそれを表現してもらいました」とポイントを説明。
そこに清水さんが「衣装、ヘアメイクは徹底的に作りこんでもらってます。みんなそれぞれの色合いが出ています」と付け加えた。
そして今回の製作発表会では、佐藤さんがサプライズで殺陣を披露するシーンも。製作総指揮の清水さんが即興で作り上げた「サンシャイン通りのコンビニで万引きをして立ち去るテムジン(佐藤)VS追いかけてきた店長」というユニークな設定にも関わらず、即興とは思えない殺陣を披露し、報道陣からは歓声と拍手が起こった。
それを見た清水さんは「普段もこういう感じで即興で殺陣をつけて、その場で作り上げています。アツヒロさんだからすぐ覚えられますけど、普通はなかなか覚えられないんですからね」と難易度の高さを説明。
さらに、今作ではこの殺陣の手数が大体2時間のお芝居で1500手から2000手ぐらいある感じです」と話すと、佐藤さんは「今は7手あったかな」と先ほどの殺陣を繰り返した。
そして、「2000年に劇団☆新感線で犬夜叉をやって以来、立ち回りが好きなので、またこうして立ち回りを舞台で披露できるということは本当に嬉しい」とした上で「僕と大地との一騎打ちに注目してほしいですね」と見どころをアピールした。

30-DELUX Special Theater 2025
『デスティニー -アドラメレクの鏡-』
作/毛利亘宏 脚色・演出/林 明寛
出演/佐藤アツヒロ、吉原雅斗、鈴木達央、瀬戸かずや 他
東京公開/4月18日(金)〜27日(日) 全12公演
会場/サンシャイン劇場(豊島区東池袋3-1-4)
©デスティニー製作委員会
Atsuhiro Sato
1973年生まれ。1987年、光GENJIとしてシングル「STAR LIGHT」でデビュー。1995年、“アツヒロサトウ”としてシングル「RISKY LOVE」をリリース。以降ソロライブ、ディナーショーを中心に活動。2000年に鴻上尚史の舞台『ララバイまたは百年の子守唄』で舞台初出演以降、現在に至るまで舞台と中心に活動。近年では、「隠し砦の三悪人」、「ブラックジャックによろしく」など、話題の舞台に多数出演。大劇場から小劇場、翻訳劇まで意欲的に活躍している。