年齢を重ねても可能性は無限大。やりたいことを諦めない人生【ハリウッド女優に学ぶ“オンナの生き方”】

長年に渡り舞台女優として活動し、61歳の時に映画に初出演を果たした女優・ジューン・スキッブ。

名バイプレイヤーとして活躍するなか、93歳で映画初主演を飾り、史上最高齢の主演女優となった彼女から、年齢を言い訳にしてやりたいことを諦めたり、世間体を気にするような生き方は愚かなこと。

ありのままに、自分の好きなように生きれば良いのだということを教えてもらえる。

映画「エレノアってグレイト。」
ジューン・スキッブ

老婦人エレノア(ジューン・スキッブ)は、長年の親友ベッシーを亡くして心にぽっかりと穴が空いた生活を送っていました。

そんなある日、家族の勧めで近所のレクリエーションに参加するつもりで出向くのですが、間違ってホロコースト生存者の自助グループの会に迷い込んでしまうのです。そして彼女はホロコーストでの記憶を語っていたベッシーの半生を、その場しのぎで自分のこととして話してしまうのです。

その語りを聞き感銘を受けたジャーナリスト志望の学生ニナ(エリン・ケリーマン)と新たな友情関係が芽生えて心豊かとなるエレノアでしたが、彼女の嘘はひとり歩きして大騒動に発展してしまうのです。

世界的に人気を博す女優スカーレット・ヨハンソンの長編初監督作品は、ひとりの老婦人がついた嘘が巻き起こすヒューマン&コメディ映画です。

エレノアは間違って参加したホロコースト生存者たちが想いを語り合う集会で、生前のベッシーから聞かされていたホロコーストでの辛い経験を自分のこととして語ってしまいますが、彼女は決して悪気があったわけではなく、その場しのぎで言葉を紡いだつもりでした。しかし聴衆から共感され学生のニナから興味を持たれたことで、後に引けなくなってしまったのです。

エレノアとニナは年齢差こそありますが、非常に近しい仲となります。孤独になったエレノアからするとニナはかけがえのない友人となり、ニナは辛い人生を克服した先輩女性としてエレノアを敬愛するのです。

ニナは半年前に実の母親を亡くしていて、その辛さから逃れることができずにいました。そんな彼女にエレノアは「悲しいことは語らなければだめよ」と優しい言葉をかけるのです。

ホロコーストに関わるシーンが何度か出てきますが、スカーレット・ヨハンソン監督の母親が東欧系ユダヤ人ということもあり、ユダヤの血を受け継いだ彼女のホロコーストに対する想いも本作には注入されていると感じました。

人生はいつか終わりを迎えますが、悲観的になるのではなく与えられた時間をどう有意義に生きればよいのかをエレノアは教えてくれます。彼女の優しさと明るさとユーモアが愛おしくてたまらなくなる本作を、是非劇場で体験してみてください。

本作でエレノアを演じたジューン・スキッブは、1929年にアメリカ・イリノイ州で生まれました。母親のルイス・スキッブは有名なピアニストだったので、彼女は幼少期からショウビズの世界に興味を持ち始め、高校を卒業するとダンサー兼シンガーとして活動を始めます。

そして舞台女優を目指してニューヨークに移住してから数年後の1958年に、ブロードウェイミュージカル「ザ・ボーイフレンド」に出演して演劇界でブレイクスルーを果たすのです。

その後も長年に渡り舞台女優として活動しますが、彼女が61歳の時に転機が訪れます。ウッディ・アレン監督に誘われて『アリス』で映画に初出演するのです。その後は映画にも多数出演するようになり『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』『エイジ・オブ・イノセンス』『ジョー・ブラックによろしく』『アバウト・シュミット』などに出演。

そして『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされます。その後も名バイプレイヤーとして活躍していましたが、ジューンが93歳の時に『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』で映画初主演を飾り、彼女は史上最高齢の主演女優となったのです。

ジューンは61歳で映画に初出演して、93歳で初主演を果たしますが、そんな彼女の人生はとても教訓的です。

年齢を言い訳に自分の可能性を狭めたり、やりたいことを諦めたり、世間体を考えたりするのは愚かなことであり、自分の好きなように生きればいいのです。

エレノアってグレイト。

監督/スカーレット・ヨハンソン
脚本/トリー・ケイメン
出演/ジューン・スキッブ、エリン・ケリーマン、ジェシカ・ヘクト、リタ・ゾーハー、キウェテル・イジョフォー 他
公開/6月12日(金) 新宿バルト9 他

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Written by コトブキツカサ(映画パーソナリティー)

Profile/1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

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