
自分の人生を自分で決める覚悟を教わった、ミュージカル『愛の不時着』【三山凌輝】
─── 世界的大ヒットを記録した韓国ドラマ『愛の不時着』のミュージカルが、ついに日本人キャスト版で上演決定。主人公リ・ジョンヒョクを演じるのは、ミュージカル初挑戦にして初主演となる三山凌輝さん。まず、オファーを受けた心境から伺うと、「めちゃくちゃ感慨深かったです」とのお答えが。
『愛の不時着』は、僕自身がコロナ禍に初めて自宅で観た韓国ドラマであり、僕の背中を押してくれた作品。その作品のオファーをいただけたことに不思議なご縁を感じています。
コロナ禍の当時は決まっていた仕事が次々になくなり、自分の行き詰まりみたいなものを感じていました。それと同時に「何か前に進まなきゃ」という気持ちも大きくて。
まずは流行っている韓国ドラマを観てみようと思って観た作品でしたが、観終わったときには「自分の人生を自分で決めていく覚悟の大切さ」を改めて教えてもらったのを覚えています。
─── 『愛の不時着』には韓国ドラマの素晴らしい部分がギュッと詰まっていると続ける。
表向きはラブコメの要素が強くみえますが、裏側には韓国と北朝鮮という触れづらいテーマがあったり、歴史や伝統がしっかり描かれていたりする。そして物語が進むにつれてシビアなシーンも増えていきますが、それでも作品として成立させるバランスが絶妙なんです。
そして、何より最後には大切な人を想う気持ちや、自分の決断の重みを考えさせられる。当時、何もできずに足踏み状態だった自分に「いろんな意味でがんばらないと」と、背中を押してくれる作品になりました。

─── 演じるリ・ジョンヒョクについて伺うと。
クールであり、チャーミングな人。本人はいたって真面目でストイックなんですけど、結果的にお茶目になってしまう部分がたくさんあって。そのギャップがみんなから好かれる理由なのかなと思います。
─── 「三山さんと似てますよね?」と言うと、「僕はあそこまで鈍感じゃないですよ」と笑った。
僕も自分の想い描くものに対して、納得がいくまで挑みたいですし、こうと決めたら突き通したい。その辺りは似ていると思いますが、さすがにジョンヒョクは気づかないことが多すぎる(笑)。
でも裏表がないところはやっぱり似てるかな。僕、人によって態度を変えたり、計算したりするのが嫌いなんです。
そんなことをしてもメッキはいつか剥がれてしまいますし、それなら最初から誠実に自分という人間はこうだということを伝えて向き合う方が絶対にいい。「これが三山です、はいどうぞ」という感じです(笑)
─── とはいえ、「自分をさらけ出す勇気がない」と感じている人も多いはず。
もちろん、僕も緊張したり、恥ずかしいと思うことはあります。
ですが、「弱さ」は出した方がラクだということに気づいたんです。弱さを見せると、必ず助けてくれる人が現れて、何度も救われてきました。そして助けてもらうことで、自分が愛されていることを実感できて強くなれたんです。
なので、弱さを出したり、人を頼ったり、人を愛することをちゃんとオープンにしていく。そうすることでそれらが最終的に自分の「勇気」になって、自分を奮い立たせてくれると思っています。
─── お芝居も含め、これからの野望や展望を伺うと「それは話が長くなってしまう(笑)」と三山さん。
僕がこれまで経験してきたことを最終的に活かす先は社会貢献しかないと思っています。僕のエネルギーを感じてもらって、共鳴してもらえたら。まずは人の心を動かし、感動を与えられる人になりたいです。
─── 「常に頭で何かを考えている」という三山さんに、思わず「休めていますか?」と聞くと首を振った。
自分がもう一人欲しい。サブスク制度ないかな「三山凌輝サブスク」(笑)。
それくらい体力もエネルギーも必要ですが、今、こうして走れている以上、やるべきことや向き合わなければならない課題も増えていきます。
もちろん落ち込むこともあるけれど、どう前進させるかは向き合い方次第だと思うので、ある程度「なるようになる」という感覚も持ちながら進んでいきたいです。
─── 「まずはミュージカルの台本を覚えなければ」という三山さんに、最後に意気込みを聞かせてもらった。
ミュージカルでは、あの壮大なストーリーを凝縮しなくてはいけません。だからこそ、原作ファンの方に「流れがちぐはぐだな」と思わせないくらいのエンターテインメントにしたいです。
そして『愛の不時着』を初めて観る方も楽しめて、心を動かされるような作品にしたい。僕自身がこれまでやってきたパフォーマンスの集大成にもなると思うので、ぜひ多くの人に観ていただけたら嬉しいです。

ミュージカル「愛の不時着」
原作/パク・ジウン 脚本/パク・へリム 演出/パク・ジヘ
出演/三山凌輝、花乃まりあ、KAZUTA(n.SSign)、中村麗乃、上田堪大 他
【東京公演】 7 月12日(日)~26 日(日)
会場/THEATER MILANO-Za
【大阪公演】 7月31日(金)~8月2日(日)
会場/東京建物 Brillia HALL 箕面 大ホール
三山凌輝
1999年4月26日生まれ、愛知県出身。2016年俳優デビュー。主な出演作にNHK連続テレビ小説「虎に翼」(24)、「イグナイト −法の無法者−」(25)、映画『誰よりもつよく抱きしめて』主演(25)、などがある。21年~25年ボーカルグループBE:FIRSTのメンバーRYOKIとして活動後、26年2月よりRYOKI MIYAMAとしてソロアーティスト活動開始。

