『リーガルビート』では、ひとりの人間としても弁護士としても成長したい【鈴鹿央士】

─── 鈴鹿央士さんが主演を務める「リーガルビート ー逆転の法廷ー」が、7月24日よりテレビ東京のドラマ9枠で放送される。ゴールデン帯連続ドラマ単独初主演が決まったときの感想からお聞きすると「あ、そうなんだと思いました」とあっさりしたお答えが(笑)。

どんな立場であってもプレッシャーはありますし、「いい作品、現場になってほしい」という気持ちはいつも変わりません。

でも、座長と言われると、頑張らなきゃとは思うのですが、何をどう頑張ればいいのか…。「ついて来い!」というタイプでもないですし(笑)

─── 鈴鹿さん演じる、泰地空は声を上げられない人たちの力になりたいと弁護士になるものの、就職活動の面接では吃音のため、うまく話せず全滅。ただ、彼には「ラップのリズムにのれば、吃音の症状が出ず思いのまま話せる」という武器があった。それを武器に、たどりついた弱小弁護士事務所で依頼人の「心」を拾い、絶体絶命のピンチをひっくり返していく。

本当にいろんな想いが込められた脚本です。

泰地自身に吃音があることもそうですが、依頼人の方たちが飲み込んできた「声」を引き出していく。どうしても声が大きい人や、力を持っている意見が真実のように見えてしまうことってあるじゃないですか。

でも真実は別のところにあるかもしれない。そういう真実を泰地は救い上げていって…。

─── 「話すのに3時間以上かかっちゃいそうですけど、大丈夫ですか?」と笑いながら、話を続けてくれた。

第1話では、ビジネスケアラーや会社からの不当解雇など、今社会で問題になっていることや、これから向き合っていかなければいけないテーマが描かれています。

でも、泰地たちは「これが正解です」と押し付けるのではなく、「こういう寄り添い方もあるよね」と提示してくれる。とても優しい脚本になっているので、きっと共感してもらえると思います。

─── ラップで気持ちを届けるという方法には、「すごく衝撃を受けた」と鈴鹿さん。

ラップは初体験だったのですが、やってみるとラップだからこそ伝えやすいこともあると感じました。セリフをそのまま話すよりも、フロウに乗せることで言葉がよりまっすぐ相手に届く気がします。

でも最初はちょっと恥ずかしくて(笑)。今は集中できるようになってきましたし、目の前の相手を見ていると「伝えなきゃ」という気持ちになります。

─── 言葉の裏にある思いを敏感に察知する泰地。「鈴鹿さんにも似た雰囲気がありますよね」と言うと、「僕は空気を読んでいるというより、何を話すか考えているうちに会話が終わってる」と笑った。

今これを言うのは違うかな、もう少し違う言い方の方がいいかなとか考えてる間に、どんどん会話が進んでいって、話そうとしたときには会話のトピックが変わってることが多い。

解決したならいいか…。と満足しつつ、やっぱり伝えたいと思ったら、会話が落ち着いたときに「そういえば…」と、思い出したように話し出します(笑)

─── 今回のドラマは「大逆転」がテーマ。それにちなみ「鈴鹿さんの大逆転」を伺うと。

今年初めて一人旅でアメリカに行ったんです。これまで聴いてきた音楽の影響もあって「アメリカに行くならロンドンの方がいいな…」みたいな思い込みがあったのですが、実際に街を歩いて、ご飯を食べて、現地の方とお話しして過ごしているうちに「アメリカ、めっちゃいいじゃん!」って(笑)。

これは僕の中の大逆転。先入観で判断しちゃダメだなって思いました。

─── アメリカではナパやサンフランシスコに立ち寄り、ワインやレコードを買ったのだとか。

半分だけ荷物を詰めたスーツケースと、空っぽのスーツケース。それとレコードを機内に持ち込むための専用バッグを持って出発して、雑貨やワイン、古着、レコードをパンパンに詰めて帰ってきました。壊れないように持って行った服を緩衝材にして(笑)

─── 「お気に入り」を大切に持って帰る姿が、鈴鹿さんの優しい雰囲気と重なる。最後に、劇中の泰地が周囲に支えられながら成長していくストーリーにちなみ、鈴鹿さんにとっての「支え」を伺った。

やっぱり家族かな。とくにおじいちゃん、おばあちゃん。この前、おばあちゃんの誕生日にお祝いをしたら「長生きするね」って言ってくれて。このドラマも楽しみにしてくれてるんです。

ドラマの第三話では、おじいちゃんの依頼人が登場するのですが、そのエピソードでは自分の中でも考えることがいろいろあって…。泰地の成長とともに、見守ってくれたら嬉しいです。

ドラマ9「リーガルビート –逆転の法廷–」

監督/藤田直哉、市井昌秀
脚本/光益義幸、三浦駿斗、阿部凌大
出演/鈴鹿央士、小雪 / 稲垣吾郎
放送/7月24日(金)スタート
毎週金曜21:00〜21:54(テレ東系)

Ⓒ「リーガルビート –逆転の法廷–」製作委員会

鈴鹿央士

2000年1月11日、岡山県生まれ。2019年、映画『蜜蜂と遠雷』で俳優デビューし、同作で数々の新人賞を受賞。以降、ドラマ『なつぞら』『ドラゴン桜』『silent』『闇バイト家族』『嘘解きレトリック』、映画『ロストケア』『PLAY!〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』『花まんま』など話題作に出演。現在はNetflixシリーズ『喧嘩独学』で主演を務めるほか、主演映画『藁にもすがる獣たち』の公開を控えるなど、活躍の場を広げている。

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