劇場版で、ついにフィナーレへ。最後の「私、失敗しないので。」に注目して【米倉涼子】
「私、失敗しないので。」という名セリフとともに、孤高のフリーランス外科医・大門未知子のドラマがついにフィナーレを迎える。
2012年から7シリーズに亘ってテレビ朝日系列で放送されてきたドラマ『ドクターX』。その集大成となる『劇場版ドクターX』。
劇場版で初めて明かされるのは、大門未知子の誕生の秘密。ミステリアスな孤高の未知子の壮絶な半生とは…?
「大門未知子は私の一部」と語る米倉涼子さんに本作への想いを伺った。
「劇場版は12年の経験や想いがこもった集大成。大きな画面で観てほしくて映画化を希望しました。」
─── そう話してくれたのは、長年にわたり大門未知子を演じてきた米倉涼子さん。改めて12年間を振り返り、今のお気持ちから伺うと。
こんなに長いお付き合いになるとは私自身も思っていなかったので、改めてたくさんのファンの皆様に支えられていたことを実感しました。
そして長い時間を共にしたスタッフさんと共演者の仲間には感謝しかありません。
───「大門未知子を作ったのは間違いなくみんなのおかげ」米倉さんはそう続ける。
未知子は最初、どこから来たのか、何者かも分からない一匹狼の医者だったんです。
味方は岸部一徳さん演じる晶さんだけ。毎回毎回、西や東から怖い人が現れるし、周りは敵だらけでした(笑)。
でもそんな彼女を敵対視しながらも受け入れてくれた医療機関のみんながいて、認めてくれて… そうやって12年間続いてきたと思います。
───「でも、最後は一匹狼に戻りたくなった」と米倉さんは話す。
この一匹狼がね、どうも一匹狼ではいられなくなって来たんですよ。
12年前、田中圭くん演じる森本先生にクラブで出会って“もしかしたらあの人はすごい医者じゃないの?”って気づいてもらって。
それから内田有紀さん演じる博美先生が“あの医者はいい人かもしれない”って思うようになっていって。西田敏行さん演じる蛭間先生ですら未知子を認めざるをえなくなって…。
周りのみんなも“あいつは嫌いだ!”って言えなくなってきているし、未知子自身もみんなのことを受け入れていて。
それはそれで面白いところもあったのだけど、やっぱり最後は一匹狼に戻りたいという気持ちがどこかにあって…。
そんな想いも劇場版には込められています。
─── 『劇場版ドクターX』では、これまで謎だった大門未知子の過去、誕生秘話も描かれていく。
未知子のルーツを探しに行ってくれるのも、最初に未知子をすごいと思ってくれた森本先生なんです。その流れがとても気に入っています。
あとは、未知子の医学生時代を演じてくれた八木莉可子ちゃんにもとても感謝しています。
彼女は実際にバレエもされていて、昔の私に似ているんですよね。その彼女が昔の未知子を演じてくれてとても嬉しかったです。
最初、過去パートも私が自分で演じろって言われたんです。
でも絶対に嫌だって断りました(笑)。結果、素敵なキャスティングになったことに感謝しています。
─── 劇場版には過去の作品で登場した人たちの姿もあちこちに。改めて『ドクターX』の“チーム”について伺うと、“親戚というより家族”と即答が。
家族だなぁと思うのが、毎回セリフのやり取りをしているとき。みんながお互いにどう出てくるかを楽しみにしているんです。
“本番スタート!”の声とともに、西田さんを筆頭に何をしだすんだろうって、毎回ドキドキ。
そんな警戒と期待がいっぱいのお芝居をみんなで楽しんでいる雰囲気が最高で、とても幸せな時間でした。
───「この前も誰かに“お前はニワトリか”って言われた」と、肩を震わせた米倉さん。
ニワトリって、3歩歩いたら忘れちゃうんでしょ? 私、リハーサルをしていてもすぐに忘れちゃうから(笑)。
でも、どんなリアクションをしても受け入れてくれるし、応えてくれる。時間を重ねるごとにその絆はどんどん強くなっていって…。
『ドクターX』チームは、どこにも負けない最強のチームだと思います。
─── 最後に、改めて米倉さんにとって『ドクターX』とは?
私の人生の一部です。大門未知子と米倉涼子は切っても切り離せないので、本当はずっと続けていきたいという想いもあります。
でも今回がファイナル。
染谷将太さん演じる“最大”、“最悪”、“最強”の敵が未知子の前に立ちはだかりますし、未知子のルーツも明らかになります。
これまでドラマを楽しんでくれた方にも、初めての方でも楽しめるエピソードゼロ的な作品。
“私、失敗しないので。”というセリフが出るまでの展開と、そのセリフを発する瞬間に、ぜひ注目して観ていただけたら嬉しいです。
『劇場版ドクターX』
監督/田村直己
脚本/中園ミホ
出演/米倉涼子、田中圭、内田有紀、今田美桜、勝村政信、鈴木浩介、染谷将太、西畑大吾、綾野剛、遠藤憲一、岸部一徳、西田敏行
公開/12月6日(金)全国ロードショー
©2024「劇場版ドクターX」製作委員会
米倉涼子
1975年生まれ。1992年『第6回全日本国民的美少女コンテスト』審査員特別賞を受賞し、モデルとしてデビュー。1999年から女優として活動を開始。舞台にもなったドラマ『黒革の手帖』(2004)で演じた悪女が好評を博す。その後『交渉人~THE NEGOTIATOR~』シリーズ、ドラマ『35歳の高校生』など多くの作品で主演を演じ、2012年から『ドクターX ~外科医・大門未知子~』シリーズがスタート。ブロードウェイ・ミュージカル『CHICAGO』では日本人女優として初めて3度ブロードウェイで主演を務めた。