誰もが誰かのヒーローになれる。劇場版3作目TOKYO MER【菜々緒】

2021年にドラマ版が放送された「TOKYO MER」。新たなメンバーを迎えた劇場版3作目となる今作は、首都直下地震の発生にともない、現場となった東京全域でかつてない救命ミッションに立ち向かう。

ファーストシーズンからMERにとって欠かせない存在である、看護師長「蔵前夏梅」役を演じる菜々緒さんに、作品に込めた想いを伺った。

街で「夏梅さん、応援してます」って声をかけられて、MERが愛されてることを実感できて嬉しかった

─── 「さすがに映画3作目になるとは夢にも思っていませんでした」。そう笑いながら話し始めてくれた菜々緒さん。『TOKYO MER』シリーズが多くの人に愛される理由を伺うと。

医療従事者の方たちへのエールになるような作品にしたい。これがこの作品のはじまりでした。

それを伝えるには、医療現場で起きていることを、フィクションでありながら、できる限りリアルな重みを持った作品にしたいという意識が強くあって。それが観てくださる人たちに伝わり、回を重ねるごとに応援してくださる人たちが増えていったんだと思います。

─── 菜々緒さん演じるのは看護師長でありながら、シングルマザーという一面も持つ蔵前夏梅。

夏梅さんはシングルマザーで、一人娘を育てながらも、仕事もプライベートも両立して頑張っている女性代表のような役。喜多見チーフの右腕であり、ずっと強い女性として描かれてきたのですが、今回ちょっと面白い展開が…(笑)。

これまではスーパーウーマンな夏梅さんでしたが、今回は女性としての幸せだったり、「女性ってこういう部分もあるよね」という、すごく人間味を感じられるパートがあったりします。

これまでよりちょっと身近で、リアルな女性像として共感してもらえたら嬉しいです。

─── 今回描かれるのは首都直下地震という未曾有の大災害。東京全域が壊滅的な被害を受ける中、「新生TOKYO MER」が、かつてない過酷な救命ミッションに立ち向かうこととなる。脚本を読んだ感想を伺うと「ゾッとしたのは内容だけではなくて…」と含みある表情を見せた。

実は、前作の『南海MER』と同時撮影だったんです!空気の悪いトンネル内に閉じ込められるという、今回の過酷な状況に加えて、南海での撮影も同時進行。もうゾッとしますよね(笑)。

南海パートと東京パートを行ったり来たりしながら、連日ハードな日々を過ごしていました。

でも、実際の医療従事者の皆さんは本当に1分1秒気が抜けない状況が続いているんだなと思うと、「大変だ」なんて言っていられないなという気持ちになりました。

同時撮影だったことで、よりリアルさが出せたのではないかと思っています。もうポジティブに捉えるしかないので(笑)

─── 「そんな大変な状況の中でも、楽しそうにすら見えるのがあの人です」と菜々緒さん。

喜多見チーフ演じる、鈴木亮平さんです。もう、あの人はバケモノです。もちろん褒め言葉ですよ(笑)。

セリフ量も体力的にハードなシーンも誰より多いのに、全然休まないんです。声だけの出演で、現場にいる必要がなくても絶対にいる。「もう、休みなさいよ!」って思うのに、姿が見えない日はないんです。

きっと現場の温度感とか、お芝居の熱量を消したくないんだと思います。だからこそ、周りのことが一番見えていて、「夏梅さんが一番大変だからね」とか、声をかけてくれるんですよ。改めてすごい座長だと思います、本当に。

─── すごいと言えば、40歳を目前に控えているとは思えない菜々緒さんのスタイル。その秘訣を尋ねると「一番変わったのはカイロプラクティック」とのお答えが。でも、それ以上に印象的だったのは「ルーティンを作らない」という考え方だった。

決めたことができなかったときに、今日はできなかった…。と、ダメージを受けたりするじゃないですか。「あれをやらなかったから調子が悪いんだ」って、全部紐づけて考えてしまう気がして。

だから「これは絶対やる」みたいなものは作りません。その日のコンディションに合わせて、そのときの自分に必要なメンテナンスを選ぶようにしています。

─── 最後に改めて、今回の作品の見どころを教えてもらうと。

地震大国であり、自然災害が多い日本だからこそ、身近に感じてもらえるテーマだと思います。

こういう危機が起きたとき、みんなが一丸となって手を取り合って乗り越えていくことが大切なんだということを、今一度考えてもらいながら「誰もが誰かのヒーローになれる」というメッセージを受け取ってもらえたら嬉しいです。

「自分だったら何ができるんだろう」「こういう行動ができる人間になりたい」とか、そんなことを考えてもらえる作品になれば非常にうれしいなと思います。

劇場版『TOKYO MER
〜走る緊急救命室〜CAPITAL CRISIS』

監督/松木彩
脚本/黒岩勉
出演/鈴木亮平、賀来賢人、赤楚衛二、桜田ひより、津田健次郎、ファーストサマーウイカ、岩瀬洋志/菜々緒/石田ゆり子
公開/調整中

Ⓒ2026劇場版『TOKYO MER』製作委員会

菜々緒

1988年10月28日生まれ。埼玉県出身。2012年に「主に泣いてます」でドラマ初主演を果たし、14年に『白ゆき姫殺人事件』で映画デビューを飾る。その他の出演作として、映画『グラスホッパー』、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」、映画『ヲタクに恋は難しい』、ドラマ「忍者に結婚は難しい」、映画『怪物の木こり』などがある。

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