
自分を大切にすること=筋トレ!必要な4要素と毎日できるルーティン
Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】
前回は、「自分を大切にしてあげたいけど、大切にするってなんなのかわからない……」という人へ向けて、以下の記事をお届けしました。
……と言われてもね!?
SNSで「自分を大切にしようね」という投稿が流れてくるからやってみるけどイマイチ実感が湧かない、たまたま前回の記事を読んだけど具体的な方法は次の記事にって書いてある、結局いつもの流れで人と比べちゃうじゃないか!
そんな嘆きが、編集部・アイにも聞こえてくるようです……。
ということで今回は、「自分を大切にする方法」をルーティンに落とし込んでお伝えします!
“筋トレ”のように定期的に取り組めば、必ず自分を大切にできるようになります。編集部・アイと一緒に、自分を大切にするトレーニングを始めましょう!
まずは、自分を大切にするための「4要素」を抑えよう

前回の記事では、
「自分を大切にする」とは、自分を深く理解しようと努め、自分をひとりの人間として尊重し、存在意義や価値を評価・判断せずに温かく接すること。
とお伝えしました。これを実行に移すには、以下の4つの要素を抑える必要があります。
- 無条件の自己受容
- セルフコンパッション
- 心理的柔軟性
- マインドフル・セルフケア行動
噛み砕いてお伝えすると、以下のような態度や行動です。
- 自分に対する評価をやめて「存在そのものをOK」とする
- いかなる時も、自分に対して親友のように接する
- どんな感情や思考があっても“巻き込まれず”に、大切にしたい価値観に沿って行動を選ぶ
- 自分の心身の状態に気づき、“今の自分に必要なケア”を意図的に選ぶ
なんだか、自分にも「自分を大切にすること」ができそうな気がしてきませんか?
次の章からは、各要素の具体的な説明と、毎日取り入れられるルーティンをご紹介します。
【要素1】無条件で自分を受け入れるためのルーティン

無条件で自分を受け入れる(自己受容)とは、自分に対して良い/悪いや成功/失敗を問わず、“存在そのもの”に価値があるとみなすことです。
「このくらいできない自分はダメ」「まだまだ努力が足りない」と、良く言い換えれば向上心に溢れる方もいるかと思います。現状に満足せずに、よりレベルの高い自分を目指そうとするって素敵ですよね。
でも、自分の“欠けている部分”を見て評価する癖があると、良い部分を素直に伸ばしにくくなったり、目標達成のための努力そのものが苦しくなったりします。
今日の夜、または明日の朝から、評価せずにそのままの自分を認める練習をしてみましょう。
欠けている部分があったとしても、「欠けていると今感じているなぁ、それでOK」、これが自己受容です。
ルーティンの例
- 【朝】起床後、5分間の「あるがまま」ジャーナル
- 「今朝の私は〇〇と感じている。それでOK」と書き出す。ポイントは、自分の感情や思考を評価せずに、湧き上がってきたことをそのまま書くこと。
- 【夜】鏡の前で、1つだけ“認める言葉”を言う
- 「今日は疲れていたけど、よく頑張ったよ」「怒ったけど、その裏にある本音に気づけたね」など。
【要素2】自分に対し、親友のように接するためのルーティン

自分が辛い時に、まるで親友に接するように優しさと共感を向けることを「セルフコンパッション」と言います。
心理学者のクリスティン・ネフの定義によれば、セルフコンパッションは「自慈心・共通の人間性・マインドフルネス」の3要素が中核にあります。
ダメな自分を許すというよりは、辛い自分を支える視点であることがポイント。私たちはつい「自分に優しくするのは甘え」と思いがちですが、実は厳しく自分を批判しお尻を叩くよりも、そのままの自分を認めて労わるほうが、立ち直る強さを育てるのです。
3分間のセルフ・コンパッションルーティン
- 今ある苦しみや感情に対し、「私は今、◯◯と感じている」と認める(マインドフルネス)
- ポイント:評価したり、否定したり、押し殺したり、のまれたりするのではなく、「そう感じている」ことを見つめること
- 「私は今、人間らしい反応をしている」と心の中で言ってみる(共通の人間性)
- 「苦しかったね」「ちょっと休もうか」と、自分に優しい言葉をかける(自慈心)
- ポイント:言葉をかける以外にも、自分のために温かい飲み物を入れたり、ブランケットで温めてあげたりと、行動で労わるのもオススメ!
【要素3】感情や思考に巻き込まれずに行動するためのルーティン

どんな感情や思考があっても“巻き込まれず”に、自分が大切にしたい価値観に沿って行動を選べる力を「心理的柔軟性」と言います。
ネガティブな感情や思考は、生きていれば当たり前に現れるもの。
それを無理にポジティブに変えようとしたり、逃げたり、支配されて行動できなくなったりすると、人生の充実度が下がってしまいます。
【要素1】の自己受容や【要素2】のセルフコンパッションに取り組み続けると、「ネガティブな感情や思考を持ったままでも進める心」が育ち、大切にしたい価値観に沿って選択できるようになるのです。
最初は「チャレンジングだな……」と感じると思いますので、まずは以下の【朝】のルーティンから密かに試してみましょう!
ルーティンの例
- 【朝】価値カードの作成・実行
- 方法:誠実さ・自由・創造性など自分なりの「価値カード」を作り、毎朝その日のテーマを選んで意識して過ごす
- 【困難な状況に陥った時】「それでも私はどうしたい?」と問いかける
- 方法:感情に従うのではなく、“価値に従って行動する”ことを優先する
【要素4】マインドフル・セルフケアのルーティン

“セルフケア”という言葉に、美容やご褒美のイメージを抱く方もいるでしょう。もちろんそれらも必要ですが、ケアの本質や継続性を見失いがちです。
自分をケアする際に重要なのは、
- 自分の心身の状態に気づき、
- “今の自分に必要なケア”を意図的に選び取る
という2点です。
これは「本来の力を発揮できる状態を保つために、日常的に自分をトータルで整える」ことを指しますので、単なるリラックスや癒しとは異なります。
特に、心身が休まらないと感じている人、つい頑張りすぎてしまう人は、日常の中に小さく具体的に組み込んでみてくださいね。
ルーティンの例(曜日ではなく週単位でもOK!)
- 【月曜日:身体のケア】30分の散歩、10分のストレッチ
- 【火曜日:食事のケア】旬の野菜を使ったスープを丁寧に作る
- 【水曜日:感覚のケア】好きな香りのアロマやお香を焚く
- 【木曜日:関係のケア】信頼できる人と会話をする or 手紙を書く
- 【金曜日:心のケア 】今の不安や怒りを書き出してその紙を破く
- 【土曜日:空間のケア】スマホの通知を切り、部屋を整理整頓する
- 【日曜日:精神のケア】自然の中で、自分の未来を想像する
「自分を大切にする」トレーニングを始めよう

今回ご紹介した4つの要素を筋トレのように繰り返していくと、「自分を大切にすること」ができるようになります。
自分の心身の声を無視し、「自分なんてダメな人間だ」と言い聞かせてきた人にとっては、信じられないかもしれません。でも本当なのです。
編集部・アイも、この記事を書く数ヶ月前から取り組んでおり、たしかな効果を実感している最中です。
また、【要素2】のセルフコンパッションの章に出てきたクリスティン・ネフも、「一度で劇的に変わるものではなく、繰り返すことで心の神経回路が再配線される」としています。
私と一緒に、世界に1人しかいない自分自身を大切にして生きていきましょう。
さて次回は、『貯金がしたいのに続かない人へ。原因別のマネー術』をお届けします!(※6/9(月) 8時に公開予定)
編集部・アイ
人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。