パソコンに向かっている女性

【戦略編】5年後も通用する自分へ。働く女性のためのスキルアップ戦略

Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】

不安定な社会情勢、物価高、今の仕事の将来性。結婚をするのか、独身を選ぶのか、子どもを産むのか、その先の職場復帰は、資産形成は、子どもが手を離れた後の生き方・働き方は……。

昔と比べて選択肢は多岐にわたりますが、不確実な時代だからこそ「私の仕事、本当にこのままで大丈夫?」と不安を覚えますよね。そんな不安の中でも「自分でお金を稼ぐ手段は失いたくない」と日々頑張っている女性も多いはずです。

そこで今回は「スキルアップ戦略の立て方」についてお届けします。

今、仕事をバリバリしたくても、そうでなくても。
今、結婚したくても、したくなくても。
今、子どもが欲しくても、欲しくなくても。
今、明確な目標があっても、なくても。

将来の自分の可能性を少しでも広げ、欲しいものを選べるように、自分で自分の人生の舵を切れるように、「これからの生き方」を考えてみませんか?

働く女性のスキルアップがもたらす、3つのメリット

①成長実感が、自信や“将来の可能性”につながる

成長する植物

スキルアップは、単に「できることが増える」だけではありません。自信や、その先のチャレンジへの意欲にもつながり、将来の可能性が広がるきっかけになります。

日々の中に「昨日の私より成長できた」「私、よくやってるじゃん」と思える機会があると、人は少しずつでも前向きに変わっていけるものです。

たとえば、Excelの関数を覚えて業務が効率化できた。オンラインで英会話に挑戦して、初めて外国人に自己紹介できた。

そんな小さな成功体験だとしても、私たちをそっと支え、次のチャレンジの後押しをしてくれるのです。その積み重ねが、将来の転職や昇進の面接などでも、堂々と自分をアピールできる土台となります。

②社内昇進・転職・独立など、キャリアチャンスが広がる

本を片手に勉強している女性

働き方や生き方が多様化した現代では、スキルアップすることは「選択肢を増やすこと」と言い換えられます。

社内でキャリアアップを目指す場合は、リーダーシップやマネジメントスキル、デジタルリテラシーの向上が評価に直結することもあります。資格取得や社外での実績は、昇進や異動希望時にアピール材料としても有効です。

またそれらの実績は、転職や副業・独立をする際にも大きな武器となります。組織の中だけでなく、自分の力で働き方を選べる自由を手に入れるためにも、スキルアップは必要不可欠なのです。

③ライフイベントへの備えにも。出産・育休後の復帰をスムーズに

赤ちゃんの足の裏

女性のキャリアにとって、結婚や出産といったライフイベントは、働き方を見直すきっかけとなることが多いものです。

「育休明けにスムーズに復帰できるかな」「家庭との両立ができる仕事に転職できるかな」と不安を感じる方も少なくありません。そんな時、過去のスキルアップの積み重ねが大きな支えになります。

たとえば、在宅で対応可能なスキルを身につけていれば、子どもの成長に合わせて柔軟に働き方を調整しやすいでしょう。また資格や専門知識があれば、ブランクがあっても社会復帰の選択肢が広がります。

最近では「リスキリング(学び直し)」を支援する自治体や企業も増えており、時代的にもスキルアップへの追い風が吹いています。

ライフステージが変わっても「自分の力で選べる」人生を送るために、次の章を読んで戦略を立ててみましょう!

5年後の「理想の自分」は? 自分のスキルアップ戦略を立てよう

①まずは「理想の自分」を明確にする

椅子に座ってパソコンを見ている女性

あなたは、5年後の自分の姿を明確に描けていますか? 今の仕事を続けているでしょうか? どんな場所に住んで、どんなものを食べ、どんな人と、どんな表情で暮らしているのでしょうか?

日々の忙しさに追われていると、つい目の前のタスクをこなすことに精一杯になり、自分の未来に目を向ける余裕をなくしてしまいがちです。

また、不確実性の高い現代では「将来の明確なビジョンを描くことは難しい」と感じる人、計画を立てずにその時々で柔軟に動ける自分であることを望む人もいるでしょう。

しかし、理想の未来像を描くと、今の行動に確かな意味を与えることができます。不確実な時代だからこそ、大切なものを見失わないための「灯台」が必要なのです。

それに、スキルアップを効果的に行うには、未来の具体的なイメージが不可欠ですよね。

今のところは(仮)でも構いません。まずは、「こんなふうに生きていきたい」という気持ちを、自由に紙に書き出してみましょう。

「理想」を具体的に描く方法4つ

金色の時計
  • 「理想の1日」をリアルに書き出す
    • 朝起きてから夜眠るまで、理想的な1日を書き出してみましょう。仕事内容、働く環境、住む場所だけでなく、インテリアや着ている服、どんな人と仲良くしているかまで詳細に描くと、必要なスキル(ハードだけでなくソフト面も)が見えてきます。
  • 「なりたくない自分」を書き出す
    • たとえば「5年後は、今の◯◯という悩みを持っていたくない」など、不安を言語化することで目指すべき方向性が明確になることもあります。
  • 過去の経験を振り返る
    • 過去を振り返り、「お金をもらえないとしても心から楽しいと感じたこと」「終わった後に達成感由来の心地よい疲労を感じたこと」「お金をもらえるとしてももうやりたくないこと」などを洗い出してみましょう。これらから、「大切にしたい働き方」や「こうはなりたくない」という基準が見えてきます。
  • 尊敬する人たちの「好きなところ」をピックアップする
    • SNSや本、インタビューを参考に、尊敬する人たちの経歴をリサーチし、好きなところをピックアップしてヒントを得ましょう。大事なのは前例をなぞることではなく、自分に合わせてカスタマイズして取り入れることです。

②逆算して、スキルアップの計画を立てる

壁に貼られたカラフルな付箋

理想像が描けたら、今度はそこから逆算して必要なスキル・必要な経験を洗い出し、目標設定をしましょう。

たとえば、「5年後には独立して、自分の得意な部分を活かしたサービスを提供していたい」という夢があったとします。

その場合、「1年後には何を達成していたら近づいている実感があるか?」「そのためにはどんなスキルや経験が必要か?」と、具体的なマイルストーンを設定します。

さらに「3ヶ月後・1ヶ月後・1週間後までに達成したいこと」と落とし込んでいくと、日々の行動がぐっと明確になります。

この際のポイントは、達成したいことや必要なスキルだけでなく、その時点での「環境・周りにいる人・時間の使い方」までイメージして書き出してみること。

夢や目標に向かって突き進む過程では、環境や周りの人、時間の使い方が確実に変わります。その詳細を事前にイメージし、それを「意識的に選ぶ」ことによって、達成までの後押しを受けられるのです。

実践!逆算計画の立て方

机に広げられたスケジュール帳
  1. ①の「理想」から逆算して、必要なスキルや経験を書き出す
    • たとえばマネージャー職に就きたい場合は、コミュニケーション能力やリーダーシップ研修は必須ですよね。フリーランスとして独立することが夢なら、専門分野の資格やマーケティング力、営業力を身につける必要があります。
  2. 「年→月→週」の順番でブレイクダウンし、選ぶべき環境・周りの人・時間の使い方を書き出す
    • 「2年後に資格取得」→「今年中にテキストを終える」→「今月は1章ずつ進める」などのように、毎週何をすべきかまで明確にしてみましょう。
    • また、その時々で「選ぶべき環境・周りの人・時間の使い方」まで書き出せると良いでしょう。イメージができない方は、すでにそれを叶えた人がどのような環境を選び、どのような人と付き合い、どのような時間の使い方をしてきたかをリサーチしてみてください。

5年後のあなたのためにも、今日から積み重ねていこう

机の前で電話を受けている女性

冒頭でもお伝えしましたが、不確実な時代だからこそ、大切なものを見失わないための「灯台」が必要です。「このままで大丈夫?」とまた思う日が来ても、あなたには目指したい場所があるからきっと大丈夫。

今回描いた理想の未来像こそ、今の不安や焦りをも包む光や、日々を積み重ねていく力になるはずです。そして、あなたの将来の可能性を広げる手掛かりにも。
さて、次回は【実践編】として、スキルアップの具体的な方法や継続するヒントについてお届けします!(※6/23(月) 8時に公開予定)

編集部・アイ

人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。

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