窓の外を眺める女性

変えられることを、変える勇気を。幸せな人生のために、心のエネルギーを守ろう

Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】

前回は、幸せな人生の土台となる身体に必要な「睡眠」にフォーカスし、私たちが安心して眠り、休めるようになるための方法をお伝えしました。その土台を強固にすべく、今回は「心のエネルギーを守る方法」をご紹介します。

さて、皆さんは『ニーバーの祈り』をご存じですか?

神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

これはアメリカの神学者、ラインホルド・ニーバーによって作られたと言われる散文の一部です。

不確実で変化の激しい、そして他人の評価に左右されやすい現代で、自分の心のエネルギーを守り、自分や大切な人の幸せのための選択をし続けるには、まさに『ニーバーの祈り』のような思考が必要です。

それでは、心のエネルギーを守れる自分になるための2つのステップを、これから一緒に見ていきましょう。

【ステップ①】自分が心地良いと感じるライン(自分の領域)を知る

メモを書いている女性

私たちは「本当は何が嫌か?どこまで許せるか?」を無視しがち

“バケツの底が抜けた状態”を脱し、人生で本当に大切なものへと力を注ぐには、前回ご紹介したように身体を整えるだけでなく、心のエネルギーを自分で守る必要があります。

その最初の、そして最も大切なステップは、自分が心地良いと感じるライン(つまり自分の領域)を知ることです。

私たちは日々の忙しさの中で、つい他人の期待や外側の基準を優先しすぎて、「私は本当は何が嫌で、どこまでなら許せるのか」という心の声を無視してしまいがち。

自分の領域に踏み込まれることや、反対に、他人の領域に踏み込んでしまうことを許し続けていると、心のエネルギーは当然減っていきます。また、自他の境界が曖昧になることで、自分が取り組むべき問題や大切なものを見失ってしまう人もいるでしょう。

これはなにも直接的な対人関係や日々の過ごし方に限らず、SNSの使い方にも言えること。

“自分が心地良いと感じるライン”を知り、それを守る意識を持ち始めると、ストレスや不安が減ると同時に、幸せを感じられる瞬間が増え、「自分は何に集中して日々を過ごすべきか?」も明確に見えてくるはずです。

自分の「心地良い・悪い」を具体的に書き出してみよう

まずは、最近の出来事や過去の忘れられない記憶を辿り、自分はどのような瞬間に「心地良い・悪い」と感じるのかを書き出してみましょう。その際、「どんな状況だったか?」「なぜそう感じたのか?」なども具体的に書いてみてください。

  • 心地良い・心が晴れやかになる瞬間の例
    • (人前で話すのは怖かったけど)自分の意見を尊重できたとき
    • (忙しかったけど◯◯の工夫をして)計画通りにタスクを終わらせられたとき
    • (こちらを過剰に心配せず、でも気にかけてくれている)相手と関係できているとき
  • 心地悪い・モヤモヤする瞬間の例
    • (本当は嫌なのに、相手に嫌われることが怖くて)頼みを断れなかったとき
    • (本当は見たくないけど癖で見てしまう)SNSで、他人の投稿を見て気分が落ち込んだとき
    • (本当は参加したくない飲み会で)自分の時間やエネルギーが不当に奪われた、と感じたとき

また、「この状況はなんだかモヤモヤするな」「今の私は無理をしているかも」と感じたときに、立ち止まって言葉にする習慣をつけるのもオススメ。“状況”も明確に記載しておくことで、自分の領域がどこからどこまでか、を理解しやすくなります。

【ステップ②】“自分がコントロールできること”に集中する

「focus」と書いてある辞書

疲れが取れないのは、“コントロールできないこと”に集中しているから

心地良いライン(領域)が明確になった後は、自分の貴重な心のエネルギーを有効に使うために、「仕分け」を行いましょう。

ストレスや不安の約9割は、「自分がコントロールできないこと」に力が注がれることで発生すると言われます。たとえば、上司の機嫌・未来・SNSでの評価・完璧な育児の結果。これらはつい気にしがちですが、いずれも自分一人の力ではコントロールできません。

前回の記事の冒頭でもお伝えしたように、あなたが「たっぷり寝ても一向に疲れが取れない」のは、自分がコントロールできないことを気にかけすぎたり、力を入れすぎている点に原因があるのかも。

日々のストレスや不安に振り回されず、大切なエネルギーを自分の幸せや大切なもののために使うには、「自分が変えられること」と「変えられないこと」を明確に分け、変えられることに全集中する必要があります。

まずは、変えられること・変えられないことを分けてみよう

⚫︎ 私が変えられること

  • それはつまり…
    • 自分の行動
    • 感情への反応
    • 目標に向けた努力
    • 今日の選択、など
  • 具体的なアクション例
    • 気に食わないことを言われたとき、言葉の受け取り方を変える
    • 嫌だと感じたとき、上手にノーと言う
    • 感情的になってしまうとき、一人の時間を作ってジャーナリングをする
    • 結果が悪かったので、今日の選択を変える

⚫︎ 私が変えられないこと

  • それはつまり…
    • 他人の評価や感情
    • 過去の出来事
    • 予期せぬ結果、など
  • 具体的なアクション例
    • 他人から評価されることを求めてしまう気持ちを、手放す
    • 変えられない過去の出来事を、受け入れる
    • 予期せぬ結果となり困っているから、遠慮せずに助けを求める

この仕分けを行ったら、「変えられないことに悩む時間」を「変えられることを変える時間」へと変換する意識を持ってみましょう。

すると、幸せや成長を感じられる瞬間が次第に増え、怒りや焦りといったネガティブな感情さえも客観的に見て、落ち着いて対処できるようになるはずです。

不確実な時代で幸せに生きるために必要なこと

光の方へ歩いていく女性

冒頭でもお伝えしたように、今はあまりにも不確実で変化が激しく、他人の評価にされやすい時代。そんな中で幸せに生きるには、「どうにもできないこと」を気にしすぎるのをやめて、「自分が変えられること」に全集中する勇気が必要です。

そのために、まずは「自分が心地よいライン」を知り、大切な心のエネルギーを大切な人や目標のために使えるようになりましょう。

たっぷり寝ても一向に疲れが取れないことに強く悩んでいる方、身体的な疲れがひどい方は、ぜひ前回の記事も併せてご覧ください。

編集部・アイ

人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。

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