【後編】豊かな人生は、自らの手でつくる。独身女性のこれからの生き方

Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】

仕事はあるけど、このままでいいのかと違和感もある。
プライベートの時間や暮らしに軸を置いているけれど、本当はバリバリ働いてみたい。
誰かを比較せず、評価を気にせず、自分にとって本当に豊かな選択をしたい。

どこに住み、どこで働き、何にお金を使って誰と過ごすのか───制約がある程度少ない独身だからこそ「どの選択だと豊かに生きられるのか」と迷うこともあるだろうと思います。

そこで、あなたにとっての心地よさや豊かさを追求するべく、前編では最低限必要なお金の算出と、自分自身が「豊か」に感じられる動詞探しをご紹介しました。今回【後編】ではこれからの生き方を大きく2つのモードに分け、さらに深掘りしていきます。

【第3章】あなたはどっち?拡大モードと凝縮モード

前編でご紹介した「最低限必要なお金」と「豊かさを感じられる動詞」を参考に、今の自分のエネルギーや興味関心がどちらに向いているかを確認してみましょう。

  1. 拡大モード:稼ぐ力を伸ばし、選択肢を広げる
    1. 自分の可能性を試したい・もっと広い世界を見たい・経済的な余裕で将来の不安を払拭したい・将来の選択肢を広げたい方はもちろん、家計を見直しても余裕が少ない方、今の仕事に限界を感じる方にもオススメ。
  2. 凝縮モード:強固な土台を作り、自分にとっての豊かさを追求する
    1. 日々の何気ない瞬間に幸せを感じたい・丁寧な暮らしを通じて心身を整えたい・無理な競争よりも、自分のペースでしなやかに生きたい方はもちろん、頑張り続けることに疲れてしまった方やこの先進む方向性に迷っている方にもオススメ。

あとから別のモードに変更することも、今の生活スタイルに合わせてバランスを調整することも可能なので、まずは今、あなたが心惹かれる方を選んでみましょう。

【拡大モード】稼ぐ力を伸ばし、選択肢を広げる

拡大モードが目指すのは、ただ長時間働くことではありません。自分の価値を少しずつ高め、収入の柱を太くしていくこと・選択肢をできる限り広げていくことです。

それを叶える方法は、転職、副業、資格、語学、企画力、発信力、人脈づくりなど多様ですが、大切なのは「今の自分の強みをどこで生かせるか」「何を掛け合わせると、価値や効果をより最大化できるか」を考えること。

ただし、注意すべき点もあります。それは、体力を軽く見ないことです。収入を上げたいからといって睡眠を削り続けたり、休日をすべて学びに使ったりすると、長く続かないどころか心身の不調をきたす可能性もあります。

稼ぐことは自分をすり減らすことではなく、未来の自由や選択肢を増やすために今のエネルギーを計画的に使うこと、と胸に留めて進んでいきましょう。

以降の章では、拡大モードの方にまず試してほしいアクションを3つご紹介していきます。

①「自分の経験に掛け算できるスキル」を伸ばす

まったく新しい分野に飛び込むのも、もちろん素敵。でも忙しい毎日の中で、より効果的にスキルを身につけるなら、今の仕事や得意なこと、経験と掛け合わせやすいものがオススメ。成果(収入など)にも繋がりやすいですよ。

たとえば、事務職なら資料作成力や数字を読む力。営業職なら提案力や聞く力。PRや広報なら文章力、企画力、SNSの理解。デザイナーなら見せ方だけでなく、言葉で意図を伝える力。どの仕事にも共通して役立つのは「相手にわかりやすく伝える力」です。

また、業務効率を上げるために、AIを使いこなすスキルを身につけるのもいいですね。難しく考える必要はなく、あなたの仕事を少し楽にするために、文章のたたき台や情報整理などからまずは依頼してみましょう。

②「自分にとっての当たり前」を明確にする

これからのキャリアを考えるとき、「私には特別な強みがない」と感じる人は多いもの。でも、強みは目立つ才能だけではありません。むしろ、本人にとっては当たり前すぎて気づいていないことの中にあります。

たとえば、段取りが早い。相手の気持ちを汲み取れる。文章を整えるのが得意。細かいミスに気づく。初対面でも話せる。場の空気をやわらかくできる。こうした力は、よく目を凝らしてみると、仕事の中で確かに役立っているはずです。

そこで、自分にとっての当たり前、つまり強みを棚卸ししてみましょう。

「人からよく頼まれること」をまず書き出してみると、見つけ出しやすいかもしれません。資料を見てほしいと言われる。相談されることが多い。まとめ役になることが多い。急ぎの対応を任される。それらには、周囲があなたに感じている価値があります。

次に「苦労せずにできてしまうこと」や「過去に褒められたこと」も思い出してみてください。些細なことでも、とにかく書き出してみましょう。

さて、目の前にあるそれらがあなたの強み。強みがわかると、自分を適切な場所に配置できるようになります。頑張っても評価されにくい場所に居続けるより、自分の力を最大限発揮できる場所を探すほうが、心も収入も安定しやすくなるはずです。

③時間の使い方を見直して、適切に管理する

拡大モードの方が目指す「収入の柱を太くする」「選択肢をできる限り広げる」ためには、時間の使い方の見直しや時間管理能力が必要です。

新しいことを始めたくても、それが入る隙間がなければ続きません。続けなければ、目指していることも叶えられませんよね。

そこでまずは、1週間の中で「何に時間を使っているか」を見える化してみましょう。通勤時間、SNSを見た時間、家事、残業、だらだらしたネットショッピングなど、とにかく細かく1週間分を書き記していきます。

これを行うのは、自分を責めるためではありません。事実として今何に時間を費やしているか、それは本当に必要な時間か、余白を作れないか、を検討するために行います。

その中で手放したい悪習慣や、別のことに充てたい時間が見えてきたら、仕組みを整えていきます。たとえば「SNSの無限スクロールをやめたい」なら、毎回ログアウトする。すると次第にログインが面倒になって、別のことに充てられる時間が生まれます。

タスクの優先順位の付け方、自分用の締め切り設定方法など「時間管理のテクニック」は、以下の記事を参考にしてみてください。

時間管理が苦手!怠けてしまってどうしても自分のための時間を作れない!という方は、まず【20分朝活】から始めてみてはいかがでしょうか。

【凝縮モード】強固な土台を作り、自分にとっての豊かさを追求する

「今の自分に必要なのは、収入を伸ばすことよりも暮らしを整えることだ」と感じている方へ。これは資本主義の中では後ろ向きな選択と捉えられがちですが、そうではありません。

凝縮モードが目指すのは、人生における「強固な土台作り」です。

家賃が高すぎないか。サブスクを増やしすぎていないか。食事が外食に偏りすぎていないか。今の生き方は本当に持続可能か。これからどこへ向かうのか、今の行動でその目的地に辿り着くのか。

これらは、それこそ資本主義の中では、もしかすると瑣末な問いかもしれません。でも、人よりも速いスピードで走り、たくさんのお金を稼ぎ、たくさんのものを手に入れることだけが「幸せ」ではないのです。

規律を作り、不安を見て見ぬふりせず一つずつ解消し、心や身体を作るものを厳しく取捨選択し、足元をしっかりと固めていくこと。

その強固な土台が真の安心に繋がって、たとえば「お気に入りの器で朝ごはんを食べられること」や「部屋が片付いていること」などの暮らしの小さな出来事でも、幸せで満たされるようになるものです。

以降の章では、凝縮モードの方にまず試してほしいアクションを3つご紹介していきます。

①固定費と住まいを見直してみる

凝縮モードの方が最初に見直したいのは、実は固定費。家賃、通信費、保険、サブスク、ジム、習い事などの固定費は、一度見直すとその効果が毎月続きます。

特に「家賃」は、家計の中でも大きな割合を占めます。駅近で便利、職場に近い、街の雰囲気が好き。そうした条件は大切ですが「家賃を払うために働きすぎている」と違和感を抱いている場合には一度立ち止まり、これからについて改めて考えてみてもいいかもしれません。

今の働き方で手に入れているものだけでなく、手放しているもの(失っているもの)と対峙する中で、「これからはもう少し“暮らし”にフォーカスした人生を送りたいから、住む場所を変えてみようかな」などと新たな気づきを得られる方もいるでしょう。

私たちの心も環境も、常に変わり続けていくものです。その中で、必要なものや不要なものが入れ替わったり、不要なものを手放していくことは、“自然なこと”

過去の選択や世間の常識にとらわれず、固定費や住まい含め、あなたにとって本当に必要なものの見直しを行い、人生の風通しを良くしていきましょう。

②栄養たっぷりの自炊ができる仕組み作り

女性は、キャリアや結婚・出産などとセットで「自分を食べさせていく力を身につけるべきだ」と言われがちですが、これは食に関しても言えるのではないでしょうか。

食は、健康で文化的な生活の土台です。忙しい日や疲れ切っている日には、外食やコンビニのお惣菜に救われることもありますが、毎日の食事をすべて外に任せていると栄養面や金銭面に偏りが出てきます。

特に栄養面の偏りは、中長期的に見れば健康への影響も大きいもの。健康を失えば、未来の選択肢も狭まってしまうでしょう。「食に向き合う」とは「人生に向き合う」こと、と言えます。

そこでまずは強固な土台作りの一環として、栄養たっぷりの自炊ができる仕組みを作ってみませんか?完璧な献立である必要も、多くの労力をかける必要もありません。

たとえば、

  • 一週間に一度、冷蔵庫内の整理も兼ねて、残った食材と鯖や鮭を入れてご飯を炊き込み冷凍しておく。または、生姜などと一緒にまるっと鍋に入れてスープにしてしまう
  • 一週間に一度の買い出しでは、食材の「色」を意識して購入する(赤・黄・緑のバランスが良いように)
  • 買い出し後、野菜はすぐに洗って野菜室に入れる(すぐに使わないなら切って冷凍)。その週に食べたいものを先に作って冷凍しておくのも◎
  • 毎朝食べるものはある程度決めておく(買い出しや献立に迷う手間が減るため)
  • 2〜3日で食べ切れる量の超簡単な常備菜を作っておく
  • 即席の味噌汁を作れるよう、保存の効く乾燥野菜や乾燥わかめなどを常備する

これらは実際に編集部・アイが行っているものですが、無理は禁物。大切なのは、自分の心や身体の声を聞いたり、自分のライフスタイルに合うものを選び取りながら、無理のない形で「続けていく」ことです。

③好きな動詞を暮らしに増やし、整える

「暮らしを整える」という言葉には、片づけや節約など無駄を削ぐイメージを抱きますよね。でもこの言葉には、自分が元気になる(元から持っている気を取り戻す)時間を日常に増やすことも含まれます。

そこで凝縮モードの方には、前編の『【第2章】好きな「動詞」を見つけてみよう』の章を参考に、好きな動詞(=自分が元気になれる時間)を暮らしに増やしていただきたいのです。

たとえば、好きな動詞が「育てる」なら植物を置く、ぬか漬けを始める、ハーブを育てる。「作る」なら料理、アクセサリー、文章などを、まずはひとつ作ってみる。誰かに評価されるためではなく、自分の元気を取り戻すために。

独身の編集部・アイも、結婚や出産を経験する友人が増える中で「自分はこれからどう生きよう?」と悩むこともありますが、生活の中で“好きな動詞”を好きなだけ体験できる独身の素晴らしさも同時に感じています。

自分のための暮らしを自分の力で作り上げ、自分の心地よいペースで日々を積み重ねていくことにも、かけがえのない価値があるのです。

自分の豊かさを追求していい、選び直していい

ここまで「拡大モード」と「凝縮モード」に分けてお伝えしましたが、実際には多くの女性がその間を行き来しています。

収入を伸ばしたい気持ちもあるけれど、心身も大切にしたい。暮らしを整えたいけれど、将来のために学びも続けたい。そんなふうに、どちらか一つに決めきれないほうが自然です。ですから、無理にどちらかのモードに決め切る必要はありません。

たとえば春は仕事を広げる。夏は心身の健康を一番に生きる。秋は学ぶ。冬は次の春に向けて暮らしを整える。

そんなふうに季節でモードを変えてももちろんいいですし、拡大モードを軸にしつつ週末は暮らしに焦点を当てたり、凝縮モードを軸にしつつ週に2回はガッツリ働くなど、メインの軸を決めるのもいいですね。

大切なのは、あなた自身が生きていて心地がいいか、心底豊かだと思えているか。そのために満足のいくまでバランスを追求し、必要なら何度も選び直していいのです。

選択の自由こそ、独身という生き方の尊さ

自分の可能性を広げていく「拡大モード」と、足元を丁寧に固めていく「凝縮モード」。今のあなたが心惹かれたほうのアクションを、まずは一つ、ぜひ取り入れてみてください。

覚えておいていただきたいのは、どちらか一方だけに一生を決め切る必要はないということ。2つのモードを自由に行き来したり、心地良いバランスにブレンドしてOK。

そもそもこのモード選択は、あなた自身がより心地よく、より豊かに生きるために行うものなのですから。

自分の手でこの先の人生の、そして暮らしの手綱を握り、選び直していくこと。その選択の自由こそ、独身という生き方が持つ何よりの尊さだと、編集部・アイは思います。

編集部・アイ

人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。

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