
時として、自分を高めるために新天地で挑戦することも大事【ハリウッド女優に学ぶ“オンナの生き方”】
キューバに生まれ、スペインに渡り国籍を取得して役者活動を始めた女優アナ・デ・アルマス。
女優としてスペインで成功を収めながらも、守りに入ることなく、その地位を全て捨ててアメリカでの可能性に賭けた彼女の行動と意欲には、分野は関係なく学ぶ点が多い。
映画「バレリーナ : The World of John Wick」
アナ・デ・アルマス
超一流の殺し屋であるジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)を生み出した「ルスカ・ロマ」という組織で、幼少期から殺しのテクニックを磨き暗殺者となったイヴ(アナ・デ・アルマス)は、ある殺しの仕事中に亡き父親に関する手がかりをつかみます。
父親を殺した暗殺教団の手首にあった傷が、時を経て倒した敵にもあったのです。
イヴはコンチネンタルホテルの支配人であるウィンストンとコンシェルジュのシャロンを頼り、父親の復讐に立ち上がり敵の拠点にたどり着きますが、裏社会の掟を破った彼女の前にあの伝説の殺し屋が現れるのです。
『ジョン・ウィック』シリーズは、これまでのアクション映画の歴史に一石を投じたエポックムービー(画期的な作品)であり、キアヌ・リーブスという俳優の信用マイレージを一気に高めた映画ですが、本作はこれまでのシリーズの流れを汲むスピンオフ作品で、主人公イヴの暗殺者になる過程が描かれています。
暗殺組織「ルスカ・ロマ」のトップである「ディレクター」は、イヴに対して「過去を奪われても未来を失ってはいけない」と諭し「悲しみを知るだけではダメ。苦しみも知らないと暗殺者にはなれない」とアドバイスします。
そんなディレクターの指導で暗殺者となったイヴですが、父親を殺害した組織の存在を知ってしまったことで、周りの反対を無視して復讐の道を突き進むのです。
イヴは幼い頃からバレエのレッスンに励み、いつの日か大舞台でバレリーナとして活躍する日を夢見ていました。そんな彼女が物語の終盤で、バレエ音楽劇「白鳥の湖」を踊る子供たちを客席から見守るシーンが出てきます。
悪魔ロットバルトの呪いによって白鳥に変えられてしまった王女オデットの人生とイヴの人生が重なり合う本作を、是非劇場で体験してみてください。
そして、本作でイヴを演じたアナ・デ・アルマスは、1988年にキューバ・ハバナの小さな村で生まれました。彼女は12歳の時に女優になることを決意して、14歳の時にキューバ国立演劇学校のオーディションに合格します。
そして在学中にその才能が評価され、映画『カリブの白い薔薇』で初主演を果たすのです。その後、演劇学校を自主退学した彼女は親戚が住んでいたスペインに渡り国籍を取得して、マドリードで役者活動を始めます。ほどなくしてティーン向けのTVドラマなどに出演して彼女の認知は広がり、映画『灼熱の肌』のヒットで女優として有名になります。
しかし、彼女自身はティーンエイジャー役ばかりオファーされることで役者としての幅の狭さを感じ、ロサンゼルスに活動の拠点を移すのです。そして数々のオーディションを受け、イーライ・ロス監督の映画『ノック・ノック』に出演。
その後、様々な作品に参加してキャリアを積んだ上で『ブレードランナー2049』への出演が話題を呼び『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』での演技が世界的に賞賛され、ハリウッド女優としての地位を築くのです。
その後は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でボンドガールを演じ、Netflix映画『ブロンド』でのマリリン・モンロー役の演技は世界中で絶賛されました。
プライベートでは20代でスペイン人の俳優と結婚して3年後に離婚。そしてベン・アフレックなど数々の映画人との恋愛を経て、現在はトム・クルーズとの交際が噂されています。
アナは女優としてスペインで有名になりましたが、その地位を全て捨ててアメリカに渡りました。キャリアが白紙になり英語もほとんど話せなかったにもかかわらず、彼女は新しい地で自分の可能性に賭けたのです。
歳を重ねてそれなりの成功を収めると、人は守りに入るもの。
しかし、時として自分を高めるために挑戦することも大事なのです。アナの行動と意欲には、分野は関係なく見習うべき点があるはずです。

バレリーナ : The World of John Wick
監督/レン・ワイズマン
脚本/シェイ・ハッテン
出演/アナ・デ・アルマス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、ノーマン・リーダス、キアヌ・リーブス 他
公開中
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Written by コトブキツカサ(映画パーソナリティー)
Profile/1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

