互いの孤独を埋め合う妖怪と人間から、親子の愛と絆を描く。ミュージカル『どろんぱ』【小池徹平】

「日本発のオリジナルミュージカルを世界へ」をテーマに、ワタナベエンターテインメントと劇作家・末満健一がタッグを組んで立ち上げたプロジェクト、「MOJOプロジェクト」。待望の第二弾となる作品「どろんぱ」が3月16日より開幕する。

互いの孤独を埋め合うように出会った「妖怪」と「人間」の関わりを軸に、「親子の愛と絆」を描き出す本作で、主演を務める小池徹平さんのインタビューをお届けします。

妖怪だけどどこか孤独で、 人間味のある烟々羅。みなさんにどう映るのか、今から楽しみです。

─── 明日から本格的な稽古が始まるという、都内某日。「新しいものが始まるぞという、高揚感でワクワクしています」と小池徹平さんが姿を現した。

数日前にキャストが集まって本読みをしたのですが、みなさんがそれぞれ演じられる妖怪を作ってきているなという雰囲気を感じられて、面白くなりそうな予感しかないです。

今回は、それぞれの妖怪すべてに歌があり、楽しませる場面もあって。全員にしっかりとした見せ場があるというのかな。それが僕も楽しみですし、ミュージカルが初めてという方でも単純に楽しめると思います。

─── 小池さんが演じる妖怪は「烟々羅(えんえんら)」。一般的な妖怪とはちょっと毛色が違うと話す。

烟々羅は煙の妖怪なんですが、滑瓢や河童、座敷童子といった、皆さんがよく知る昔から伝わる妖怪とは違って、人間たちが空想の中で生み出した架空の妖怪です。

ただただ煙のあるところに存在して、人々を見守るような存在。妖怪の中でも偏見の目で見られていますし、存在も儚いので、どこかとても孤独なんです。

─── そんな烟々羅は、屋比久知奈さん演じる爽子に取り憑き、自分を夫の薫だと思い込ませる。そして2人は行方不明になった娘をさがしに、神隠しの伝承が残る深い森へと進んでいき… と、ストーリーは進んでいく。

物語が進むにつれ、取り憑いた理由や爽子への気持ちの変化が描かれていくので、妖怪と人間をうまく演じ分けられたらいいなと思っています。

烟々羅は妖怪ですが、どこか自分探しをしているような、すごく人間味のあるキャラクター。ちょっと頼りない部分もあるけれど、どこか憎めない存在として、みなさんにどう映るかも楽しみです。

───「自分探し」というキーワードにちなみ、小池さん自身のアイデンティティについて尋ねると、学生時代から仕事一筋で走ってきた中で、宙ぶらりんな時期もあったと振り返る。

役者とアーティスト活動、二足のわらじでやっていた時期もあって、どちらも全力を遂げてないなと悩んでいた時期もありました。

そんなときにミュージカルと出会って、一筋の光が見えたんです。何もわからない世界でしたが、知れば知るほど自分をもっと鍛えなきゃいけない、生半可な気持ちではいけないってカツが入るというか、自分の中の歯車が噛み合っていく感じでした。

─── そして30代で結婚、家族を持つことでさらに人生の視野が広がったという。

育児などを経験したことで、仕事だけではない新しい世界を知ることができました。今も昔も仕事に全力なのは変わらないのですが、仕事だけがすべてではないと、肩の荷が下りた感覚というのかな。仕事への向き合い方が楽になりました。

─── そんな小池さんも今年で40歳。まったく衰えない体力とルックスに、思わず「妖怪なんじゃないですか?」と聞くと「妖怪、小池です」と笑った。

いえいえ、とくにこれといったことはしてないのですが、ストレスを溜めないことは心がけてます。怒ってばかりいたらシワもできますし、怖い顔になっちゃうじゃないですか(笑)。

なので、大事にしてるのはメンタルの平和ですね。疲れたときは家族にグチを聞いてもらったり、子どもたちと遊んだり。男のコふたりなので、遊ぶのも全力勝負なんです。でもそれが楽しいですし、結果的に体力作りにつながっているのかなと思います。

─── 最後に、改めて作品の見どころを伺うと「妖怪ビックリハウス」を覗きに来るつもりで楽しんでほしいとのお言葉が。

妖怪もいっぱい出てきますし、殺陣も歌もあってとにかく楽しい舞台になると思います。あらすじを読んでお話を楽しみに来てもらうのもいいですし、ただただ妖怪に会いに来るのでもいい。いろんな楽しみ方ができるエンタメ性の高い作品になると確信しているので、難しく考えずに遊びに来てくれたら嬉しいです。

MOJOプロジェクト -Musicals of Japan Origin project- 第2弾
ミュージカル『どろんぱ』 supported by にしたんクリニック

作・演出/末満健一 
作詞/森雪之丞作曲・編曲・音楽監督/深澤恵梨香 
ゲストコンポーザー/和田唱出演/小池徹平、屋比久知奈、生駒里奈、木内健人、東島京、加治将樹、土井ケイト、相葉裕樹、吉野圭吾、真琴つばさ 他
東京公演/3月16日(月)~29日(日)日本青年館ホール大阪公演/4月3日(金)~7日(火)SkyシアターMBS

小池 徹平(Teppei Koike)

Profile /1986年1月5日生まれ。2005年に俳優デビュー。同年、ウエンツ瑛士との音楽デュオ「WaT」としても活動を開始し、NHK紅白歌合戦への出場など幅広い人気を集める。俳優としてはドラマ、映画、舞台とジャンルを問わず活躍し、2013年に「メリリー・ウィー・ロール・アロング〜それでも僕らは前へ進む〜」でミュージカル初出演。以降、舞台作品にも多数出演し、確かな歌唱力と繊細な演技で存在感を放っている。「キンキーブーツ」、「るろうに剣心」シリーズや「ある男」など、話題作に数多く出演。

PHOTO / Hirohiko Eguchi (Linx inc.)
STYLIST / Yosuke Matsushita
HAIR & MAKE / Yui Kato(Hair&Make-up fringe)
TEXT / Satoko Nemoto

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