どんなに不遇な時代でも、”夢より高いところ”を目指す【ハリウッド女優に学ぶ“オンナの生き方”】

与えられる役が限定的な不遇な時代を経て、確実にハリウッドでの道を切り開いてきたスージー・ナカムラ。アジア系の女優として、今、ハリウッドの最前線で活躍する女優のひとり。

仕事でもプライベートでも、彼女のように強い気持ちと明確な目標を設定すれば、少なからず成功は近づくはず。

「夢より高いところを目指してきた」という信念を語った彼女から学ぶべきことは多い。

映画「殺し屋のプロット」
スージー・ナカムラ

元陸軍偵察部隊の将校であり、2つの博士号を有するという経歴を持つ凄腕の殺し屋ジョン・ノックス(マイケル・キートン)に、ある日予期せぬ事態が起こります。物忘れが激しくなったジョンが医者に診察してもらうと、急速に記憶を失う病だと診断され、残された時間はあと数週間と告げられるのです。

長年続けてきた殺し屋という稼業の引退を決意したジョンは、仲間のゼイヴィア(アル・パチーノ)の協力を得ながら仕事を辞める準備を進めていました。

しかし、長年交流を絶っていた一人息子マイルズ(ジェームズ・マースデン)が突然現れ、人を殺した罪をプロである父の手で隠蔽してほしいと涙ながらに訴えるのです。刻々と記憶が消えていく中、ジョンは息子のために最期の完全犯罪に挑むのですが…。

悪行から足を洗う決意をする人物が登場する映画はこれまでも数多く製作されてきましたが、本作の主人公ジョンは、記憶障害という病を抱え、殺し屋からの引退を決定したにもかかわらず、疎遠になっていた息子マイルズの尻拭いをすることになります。ジョンは過去に家庭を壊してしまった贖罪と愛する息子を助けるために、再び悪に手を染めるのです。

監督・主演・製作を担当したマイケル・キートンは、長い年月ハリウッドの最前線で活躍してきましたが、実際に74歳となったマイケルと主人公ジョンの姿がオーバーラップします。性別は関係なく、誰しもが歳を重ねれば体力や気力が衰えるとは思いますが、ジョンはそんな境遇を悲観せず、自然の摂理として受け入れるのです。

映画の序盤、ジョンがダイナーで新聞を読みながらウェイトレスにコーヒーを頼みます。すると怪訝そうな顔をしたそのウェイトレスから、「いま(コーヒーを)注いだばかりよ」と言われます。ジョンはこの後から記憶が徐々に失われていくのですが、その喪失のグラデーションが過度な説明台詞ではなく、自然と観客に提示されていくのです。

マイケル・キートンやアル・パチーノの熟練の演技が堪能できる本作を、是非劇場で体験してみてください。

劇中で事件の真相に迫る刑事役で登場するスージー・ナカムラは、アメリカ・シカゴで日系アメリカ人の両親のもとに生まれました。彼女は高校を卒業すると、アジア系アメリカ人が集う劇団「ミナサマ=ノ」に入団して演劇を学び、その後はコロンビア・カレッジやシットコム劇団「セカンド・シティ」で演技やコメディの勉強をしました。

舞台、ドラマ、コマーシャルなどに出演しつつ、コメディエンヌとして頭角を表していった彼女は、1997年に『ストロベリー・フィールズ』で映画初出演を果たします。

その後、シットコムドラマ「ドクター・ケン」では主人公の妻役で注目を集め、様々なドラマや映画への出演を経て、2018年にはアジア系アメリカ人劇団「イースト・ウェスト・プレイヤーズ」が選出するビジョナリー賞を受賞するのです。

スージー・ナカムラはアジア系の女優として、与えられる役が限定的な不遇な時代を経て、確実にハリウッドでの道を切り開いてきました。

そんな彼女はインタビューで、若い頃の苦労をジョークで笑い飛ばしながら、「夢より高いところを目指してきた」という信念を語りました。アジア系の俳優がハリウッドの最前線で活躍するのが困難だった時代でも、彼女はよりハードルの高い目標を掲げ成功を勝ち取ったのです。

人生において高い目標を持つことは決して恥ずべきことではありませんし、むしろその目標が自分を高みに導いてくれることもあります。仕事でもプライベートでも、スージー・ナカムラのように強い気持ちと明確な目標を設定すれば、少なからず成功は近づくはずです。


殺し屋のプロット

監督/マイケル・キートン
脚本/グレゴリー・ポイリアー
出演/マイケル・キートン、ジェームズ・マースデン、ヨアンナ・クーリク、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アル・パチーノ 他 
公開/12月5日(金) kino cinéma 新宿 他

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Written by コトブキツカサ(映画パーソナリティー)

Profile/1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

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