ベッドにうつ伏せでこちらを見ている女性

頑張りすぎる私たちこそ。“睡眠美学”で身体を整え、幸せな人生の土台を作ろう

Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】

たっぷり寝ても、一向に疲れが取れない───という慢性的な疲労感は、仕事や生活に忙しい現代女性の共通の悩みでしょう。

皆さんも感じている通り、この疲れの正体は単なる「肉体の消耗」だけではありません。

不確実で変化の激しい時代と言われる中、毎日ひっきりなしに届く通知やメンションに対応し、仕事や家庭を回しながら、将来のために勉強し続けなければならない。SNSには、他人の輝かしい活躍や完璧に見えるライフスタイルが所狭しと並んでいる。

そうしているうちに心の境界線が曖昧になり、「私はこれでいいのだろうか」「もっと頑張らなきゃ」と、知らず知らずのうちに自分を追い詰めてしまう……。

このような“バケツの底が抜けた状態”では、どんなに眠っても心や身体は完全に休めませんし、自分の人生で本当に大切にしたいものを見失ってしまうことも多いです。また、すべての土台である“健康”を脅かす可能性すらあります。

そこでご提案したいのが、3つの睡眠美学。

安眠や日々の集中を妨げるものと意図的に境界線を引き、身体を整えて、あなた自身の幸せを追求できる人生への土台を作っていきましょう。

【美学①】安眠を妨げる「デジタル」に境界線を引く

暗闇でスマホを見ている女性

ブルーライトと覚醒状態が、私たちを常に“戦闘モード”にする

私たちの睡眠の質を低下させている最大の要因の一つは、夜遅くまで利用しているスマートフォンやタブレット、パソコンから放たれる「ブルーライト」。

ブルーライトの強い光は、脳の体内時計を乱し、「眠りのホルモン」として知られるメラトニンの分泌を大きく抑え込んでしまうことが、科学的に証明されています。

メラトニンの分泌が少なくなると、「そろそろ寝る時間だよ」という脳への合図が遅れ、その結果なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなって途中で目が覚めてしまったりする原因となります。

さらに深刻なのは、私たちがSNSやネットニュースを見ているときに、脳が情報過多になり「覚醒状態」が続いてしまうこと。

「人からどう見られているか」という外部の評価や、「取り残されたくない」という焦燥感を刺激して、脳が戦闘モードを止められなくなるのです。これでは、休もうとどんなに努力しても、精神的にはまったくリラックスできません。

「デジタル」との物理的な距離を取ろう

私たちの人生は、自分自身や大切なものを幸せにするためにあります。それらを幸せにするには、自分の心や身体の健康が不可欠です。

その健康がSNSやネットニュースによって脅かされているなら、まずは「デジタル」に境界線を引き、刺激から距離を取る必要があります。

具体的な方法としては、

  • 就寝の1時間前からはスマートフォンやタブレット、パソコンを使わない
  • スマホを寝室に持ち込まず、リビングや別の部屋に置く(物理的な距離を取る)

などが挙げられます。

1時間前から使わないと決めても、どうしても触ってしまう人にオススメなのは、指定時間に自動でモードが切り替わり、通知や使用可能アプリが制限される【集中モード機能】。これを活用すれば、通知が来るとすぐにスマホを見てしまう癖も改善しやすくなります。

また、たとえば「23時に寝たいから22時には使用を制限したいのに、いつも時間を過ぎてしまう」という人は、【リマインダーアプリ】を活用し、指定の時間に「今日はもう寝ましょう」という通知が届く設定をするのもオススメ。

【美学②】自分の感覚に合った「心地良い環境」を作る

ベッドルームと間接照明

デジタルの過剰な刺激に境界線を引いた後は、自宅(特に寝室)を心から安らげて深くリラックスできる環境へと整えましょう。

重要なのは、境界線を引いた後に環境を自分でコントロールし、心地よい状態へと調整する、という一連の行為が、「自分で自分を整えられる」という感覚(自己調整機能)の回復を促す点にあります。

「自分の力で変えられる」という成功体験を積み重ねていくうちに、周りから評価されないことや、SNSやネットから遠ざかることへの恐れが小さくなることも感じられるはずです。

⚫︎視覚からリラックスするために、光と色を調整する

特に寝室は、できる限り光を遮断できる環境にしましょう。これは、外部からの光だけでなく、小さなLEDランプすらも、睡眠の質に影響を与えることがあるためです。

遮光性の高いカーテンを活用するとともに、夜は間接照明や暖色系の優しい光だけを取り入れるようにしてみてください。また、朝は太陽の光を浴びて体内時計をリセットできるよう、カーテンを開けやすい寝具の配置に工夫することなども大切です。

⚫︎嗅覚から身体を整えるために、香りを活用する

嗅覚は、感情を司る脳の部分にダイレクトに働きかけます。

特にオススメなのは、ラベンダーやカモミール、サンダルウッドなどリラックス効果が高いアロマの活用。日中に高まった自律神経の緊張をほぐし、深く安定した呼吸を促してくれます。

寝室にアロマディフューザーを置く、枕元にアロマスプレーをひと吹きする、上記のアロマが使われているボディクリームを塗るなど、ご自身に合った方法で取り入れてみましょう。

⚫︎触覚(肌触り)が良い寝具を選ぶ

私たちは無意識に肌から快・不快を感じ取っており、不快な環境やモノを使い続けていると次第にストレスが溜まります。触覚は、意識の範囲外で私たちの心身に少しずつ影響を与えるのです。

そう考えると、肌に直接触れる寝具の素材には特に注意を払いたいですよね。

まずは身の回りの寝具に目を向けて、肌触りが心地良くないもの・長年「なんとなく」使い続けているものがないか、チェックしてみましょう。

当てはまるモノがあれば、新しい年を迎える前の今のタイミングで、肌触りの良い天然素材のパジャマやベッドカバー、自分に合った高さの枕へと買い換えてみませんか?

⚫︎ホワイトノイズ・自然音で、聴覚から生活を整える

特に都会の生活では、夜間の騒音や隣人の生活音といったノイズが、眠りを浅くすることがあります。かといってノイズを完全にシャットアウトすると、かえって思考がぐるぐるしてリラックスしにくいのですよね。

そんな方にオススメなのは、ノイズを打ち消してくれる「ホワイトノイズ」や「環境音(雨の音、焚き火の音、波の音など)」。ホワイトノイズには集中力向上・リラックス効果・安眠効果があると言われています。

これらの音を活用すれば、外側や内側に注意が向き過ぎず、心地良いニュートラルな状態を保てるようになり、スムーズに入眠しやすくなるはずです。

【美学③】寝る前の1時間を「自分のため」に使う

ベッドと本とコーヒー

就寝前の1時間は、自分のためだけの時間。この時間をどう過ごし、心と身体をリラックスモードへと切り替えられたかどうかで、翌日の気分や集中力が大きく変わります。

美学①や②と組み合わせながら、この章でご紹介する「食との向き合い方」や「寝る前の自己理解タイム」も取り入れてみてください。

⚫︎不安や不満が強いなら、胃腸に優しい飲み物・食べ物を

ストレスを強く感じているときほど、不安や不満を早く解消したくなり、寝る前に食事を摂ったりアルコールを飲んだりしてしまう……。そんな人は少なくないでしょう。

しかし寝る前の食事やカフェイン、アルコールは、身体を消化や分解の作業で忙しくさせてしまい、睡眠の質の低下にも繋がります。

寝る3時間前までには食事を終えるのが理想ですが、どうしても何かを摂取したいときには温かいノンカフェインのハーブティー(カモミールやレモンバームなど)や、トリプトファン(セロトニンやメラトニンの材料)を含む温かい牛乳などを少量摂りましょう。

温かい飲み物には、一時的に体温を上げ、その後体温が下がるタイミングでスムーズに眠りにつきやすくなる効果があります。

それでも何かを食べたくて仕方がないなら、胃腸に優しい湯豆腐や温かいスープ、ホットヨーグルトなどを。

⚫︎脳をクールダウンさせつつ、自己理解を深める

寝る前に仕事のメールチェックをしたり、難しいことを解決したりしようとすると、ブルーライト効果も相まって脳が興奮し、良質な睡眠を取りにくくなります。

寝る前の1時間に行って良いのは、デジタルデバイスを使わない・脳を刺激し過ぎない・心を穏やかに整えられる作業のみ。そう決めて、ぜひ以下を取り入れてみましょう。

  • 本を読む(ビジネス書や自己啓発書よりも、小説やエッセイなどがオススメ)
  • 翌日のタスクを箇条書きで紙に書き出す
  • ジャーナリングで、不安や悩みを紙に書き出す
  • 「今日嬉しかったこと3つ」を書き出す

特に不安や悩みを紙に書き出す行為は、睡眠の質を上げるためにも「思考の整理」という点でもオススメ。

不安を頭の中でぐるぐる考えるだけでなく視覚化すると、感情や思考を客観視しやすくなり、脳の負担も減ります。その結果、寝つきの悪さや睡眠の質の改善にも繋がるのです。

また、そうした作業の中で自己理解が深まることで、翌日の過ごし方や今後の選択がより良いものへと変化するでしょう。

3つの睡眠美学で身体を整えて、幸せな人生の土台を作ろう

ベッドで眠る人

今回ご紹介した3つの睡眠美学は、単なる休息の方法ではありません。人生で本当に大切なものへ力を注ぐための、自分らしい幸せを追求できる土台を作るための戦略なのです。

この土台が整えば、ストレスに強くなり、どんな状況でも自分を信じた最適な判断を下し、進み続けられるはず。

さて次回は、この身体の土台をさらに強固なものにするための「心のエネルギーを守る戦略」をお伝えします!(※11/10(月) 8時に公開予定)

編集部・アイ

人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。

関連記事