
2026年のトレンドは「アテンション・デトックス」。“私”を取り戻す短い旅をしよう
Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】
毎日届く通知や他人の評価に追われているうちに、自分の本当の望みが分からなくなった───そんな方にオススメの、2026年流行ると言われているアクションがあります。
スマホやSNSから離れるだけでなく、外側に向きすぎた注意を自分の内側へと取り戻す「アテンション・デトックス」と、それを目的とした短い旅「マイクロケーション」です。
今、私たちに最も必要なのは、外側の世界に奪われた注意を自分自身の内側へと引き戻すこと。誰のためでも役割を果たすためでもない、私のための、“私”を主語にした旅をしてみませんか。
2026年のトレンド「アテンション・デトックス」とは?

私たちが今本当に必要としているのは、スマホやPCから離れる“デジタル・デトックス”のさらに一歩先にある“アテンション・デトックス”。
これは、外部の情報に反応・注目することから離れるとともに、不特定多数からの目線や評価からも距離を取り、意識を自分の内側へと集中させる行動傾向を指します。
2026年に、特にZ世代で流行すると言われている「スマホなし旅行」も、アテンション・デトックスの手段の一つと言えるでしょう。
なぜ今、アテンション・デトックスが重要なのか。それは、現代女性が抱える「選択疲れ」の根本原因がここにあるからです。
キャリアをどう築くか、家庭とどう両立するか。そんな大きな問いに答えを出そうとしても、注意が外側にばかり向いている状態では、世間体や他人の正解、「他人が評価してくれるもの」に流されてしまい、自分が心から求めるものに気づくことすら難しいでしょう。
「マイクロケーション」で、日常の“役割”から物理的に離れてみる

前の章では「アテンション・デトックスとは何か?」についてお伝えしましたが、日常生活の中で「内側に集中し続ける」のは至難の業。慣れ親しんだ場所には周りとの関係性の中での自分の役割が張り付いていて、外側に意識を向けなければならないことが多いからです。
そこでオススメなのが、物理的な移動によって「日常の役割」から離れることができつつも、コストや負担を最小限に抑えられるマイクロケーション(Micro-Cation)。
これは「マイクロ(小さい)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた言葉で、週末や祝日を利用した1泊2日や、有給休暇を1日プラスした2泊3日程度の短期間の旅行を指します。経済的な負担が少なく、準備に時間を必要としない(思い立った時に実行しやすい)点も、オススメの理由です。
特に誰かのために使う時間が多い女性の中には、「一人で旅に出るなんてパートナーや家族に悪い気がする」「私の役割を押し付けてしまうことになる」と罪悪感を抱く方もいるかもしれません。
でもそれと同時に、日常生活で求められる“役割”をこなす中で、“自分自身”が失われていくように感じたり、主語を“私”にして物事を選べないことにつらいと感じているなら、やはり一度離れてみるべきでしょう。
パートナーシップにおいて最も大切なのは、自立した個と個が、お互いに敬意を持って向き合うこと。イライラしたり余裕がなくなったりした状態で日常を続けるのと、数日離れて自分をフル充電して帰ってくるのとでは、後者がお互いにとって「幸せな選択」のはずです。
アテンション・デトックスとマイクロケーションを行う、6つのポイント

①マイクロケーションの場所は、静寂+余白で選ぶ
まずは場所選びが重要です。注意したいのは「SNSで話題の映えるスポット」を選ばないこと。
アテンション・デトックス(外側への注意を減らし、内側に意識を向けること)を目的とする場合、視覚的な刺激が強すぎる場所や、「他者からの目」が気になってしまう場所は逆効果になりうるからです。
オススメなのは、「静寂」と「余白」がある場所。自然に囲まれた、歴史のある古い温泉宿などはいかがでしょうか?
②パッキングでは、“私”らしさを感じるものを詰め込む
アテンション・デトックスとマイクロケーションを行う最大の目的は、外側の情報・評価や日常生活の役割から離れ、“私”の内側に意識を向けて自分自身を取り戻すこと。
ですからパッキングでも、仕事などの「日常生活での自分の役割」を連想させるものを入れないことを強くオススメします。
その代わりに、私らしいと感じられる・私らしさを思い出せるアイテムを思う存分詰め込みましょう。お気に入りの香りのアロマオイルや肌触りの良いパジャマ、普段は忙しくて読めなかった少し厚めの本も良いですね。
③「何もしない」を計画に入れる
私たちは旅に出てもなお、「せっかく来たんだから、あそこもここも回らなきゃ」と効率や生産性を求めがち。
でも先ほどもお伝えしたように、アテンション・デトックスとマイクロケーションを行う目的は、“私”の内側に意識を向けて自分自身を取り戻すこと。そのためには、何もせず、そこにいる自分をただ感じる時間が不可欠です。
1日のうちに30分でもいいので「何もしない」時間を作ってみましょう。ただ窓辺の椅子に座り、お茶を飲むわけでも本を読むわけでもなく、景色をただぼんやりと眺めてみる。
すると、忙しない日常でこわばった筋肉がほぐれて、自分の内側に意識を向ける準備が整うことでしょう。
④当日はスマホなし or 通知をすべてオフにする
アテンション・デトックス(外側への注意を減らし、内側に意識を向けること)を効果的に行うには、外側の情報に反応しない・外側からの視線に晒されない仕組みが必要です。
そこで当日はスマホを自宅に置いていくか、ナビ以外の不要なアプリの通知をすべてオフにしましょう。
最初は通知を確認できないことにソワソワするかもしれませんが、それこそ、今まで自分の注意が外側にばかり向いていた証拠。当日は自分の目の前に広がるもの、身体で感じること、心や頭に浮かんできたものだけに、意識を向けてみましょう。
⑤いかなる時も“私”を主語にする
普段、自分の役割を果たす中で、いかなる時でも“私”を主語にするのは難しいもの。しかしアテンション・デトックスとマイクロケーションを行う時には、いかなる時も“私”を主語にして選びましょう。
「とにかく静かな時間を過ごしたい」と思うなら、宿ではテレビをつけない。「自然の中を、心ゆくまで歩きたい」と思うなら、心ゆくまで歩いてみる。食事の際には、メニューの中で最も心が惹かれたものを選び、一口ずつゆっくりと噛み締めて、その味や香り、自分が今感じていることに全集中する。
自分を取り囲んでいた日常のノイズを完全に切断し思うままに生きてみると、普段は心の奥底に押しやっていた感情や考えが浮かび上がり、「自分がどうしたいのか」「何を大切にしたいか」がクリアに見えてくるでしょう。
⑥日常の中に、“私”に立ち返れるスイッチを作る
この旅を一過性の思い出で終わらせず、日常に戻った後も“私らしく”過ごすために、旅先での体験や気づきを明確に書き起こしておきましょう。都度書き起こすのではなく、マイクロケーションを終える日や帰りの電車にまとめて書き出しても、もちろんOKです。
オススメは、「今の気持ちを象徴するキーワード」を一つ選んで書き出し、日常でもそのキーワードを思い出せるスイッチを作ること。
たとえば「余白」というキーワードを選んだら、旅先で実際に体験したことを元にして「1日30分、自分のための時間を作る」と決めて、カレンダーに予定を入れたり。「直感」を選んだら、旅先で「直感って大事だな」と思った時を追体験できるアクションを日常に取り入れたり。
このように、注意や意識を自分の内側に向けるための具体的なスイッチを作ると、忙しない日常の中でも“私”に立ち返ることができ、それが自分自身や家族やパートナーを幸せにすることにもつながるはずです。
また、旅の中で「実は、今の生活でこれを本当はやめたいんだな」と気づいたり、「あれを始めてみたい」と感じたりしたら、ぜひ小さなアクションを起こしてみましょう。
ほんの一瞬の旅が、次の10年を変えるかも

アテンション・デトックスを目的とした短い旅(マイクロケーション)は、費やす時間だけで見れば長い人生のほんの一瞬。でも、私が私自身と過ごすそのたった数日間が、次の5年や10年の生き方を変えるきっかけになる可能性もあります。
毎日届く通知や他人の評価に追われているうちに、自分の本当の望みが分からなくなった───そう感じているなら、近いうちに短い旅をしてみましょう。
日常における役割や周りからの評価、自分自身が周りへと向ける注意から一度物理的に離れ、自分の内側だけに注意を向けてみると、「本当の望み」は案外すぐに見つかるかもしれません。
編集部・アイ
人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。

