20代後半の「クォーターライフクライシス」を乗り越える4つの方法

Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】

20代後半に差し掛かったころ、言いようのない不安や、足元が揺らぐような感覚を抱いたことのある方は多いのではないでしょうか。

仕事には慣れてきたけれど「このままずっとここにいるの?」と自問自答したり、SNSを開けば結婚や昇進を報告する友人の投稿が目に飛び込んできて、置いていかれるように感じたり。

人生の中盤にも至らない、でも若手でもないこの時期に訪れる心理的な葛藤を「クォーターライフクライシス」と呼びます。

実はこれは、自分の人生にしっかりと向き合おうとする人に訪れる、必要な通過点。今回は、クォーターライフクライシスを乗り越える4つの方法をご紹介します。

多くの人が通る道、クォーターライフクライシスとは

クォーターライフクライシスとは人生の4分の1(クォーター)、つまり20代半ばから30代前半ごろに感じる、漠然とした強い不安や焦り、迷いなどを指す言葉です。

20代半ばから30代前半といえば、特に女性はライフステージが変わりやすい時期。

自分自身が大きな変化を選ばなくても、周りの人の転職・独立・結婚・離婚・出産といった選択に影響を受け、過去を振り返って後悔したり、理想と現実のギャップに落ち込んだり、先の見えない将来に不安を抱えたりする方も少なくはありません。

もしあなたが今、「自分は本当にこのままでいいのか」「これからどう生きていくべきか」と悩み足を止めてしまっていても、それは多くの人が通る道。華やかな生活をしているように見える誰かも、きっと同じように悩んでいるはずです。

それは、あなた自身の悩みや不安が“大したことない問題”であることを意味しません。「私は本当に情けない」などと過度に自分を卑下する必要はない、という意味です。

この大切な“準備期間”にすべきは、自分を見つめ、対話すること

クォーターライフクライシスの真っ只中にいると、まるで突然トンネルに入ってしまったかのように将来が真っ暗に見えて、自分の決断力がなくなったように感じることがあります。

でも実はこの期間は、「自分の基準で選び取れる」ようになるための大切な準備期間なのです。

自分自身や周りの人の大きな変化や、SNSで可視化されている多くの選択肢を前に、「“自分は”どう思うのか」「“自分は”どうしたいのか」という選択を、きっと何度も迫られることでしょう。

親の期待や世間の普通、目の前の相手が求めるものに合わせてきた方は、今までとは全く異なるゲームルールに戸惑うかもしれません。

でも大丈夫。それは、自分の基準で自分の人生を選び取る自由を手に入れる過程だからです。この時期に迷ったり悩んだり焦ったりするのは当たり前。

大切なのは、自分が今感じていることをしっかりと見つめて、自分自身とじっくりコミュニケーションをとること。それが「自分の基準で選び取れる」ようになるための第一歩です。

クォーターライフクライシスを乗り越える4つの方法

①「アンチ・ビジョン」を明確にしてみる

「自分も転職を考えているけれど、やりたいことが見つからない」
「人生に変化を起こしたいけれど、何から始めたらいいかわからない」

と悩む方は多いですが、選択肢が多すぎる現代において、ピンポイントで自分にとっての正解を見つけるのは至難の業。焦って情報を集めて選び取っても、自分の基準に沿った選択でなければ、すぐに振り出しに戻ってしまうかもしれません。

そこでオススメなのが、アンチ・ビジョン(なりたくない姿・やりたくないこと)から考える方法です。

  • 満員電車に揺られ続ける生活も、そのストレスでいつも怒っている自分も嫌
  • 自分の意見を押し殺して生きたくない
  • 週末に仕事の連絡が来るような関係性は避けたい

などのように、心の底から「NO」と言いたいことをまずは書き出してみましょう。そしてそれを一つずつ減らしていくと、自分が大切にしたい価値観ややりたいことの輪郭が自然と浮かび上がってきます。

「これだけは嫌」というルートを避けても、生活は問題なく続けられるどころか、余計なストレスを感じずに済み、やりたいことや好きなことを見つけられる可能性すらあるのです。

②JOMO(取り残される喜び)で、自分の確かな声に耳を澄ませてみる

  • 仕事で多忙を極める中、SNSにはプライベートも充実させている友人の投稿が流れてきて、私って一体何のために頑張っているんだろうと思ってしまう。
  • 夢だった家庭を築いているのに、仕事でバリバリ成果を上げている友人に羨ましさを感じてしまう。
  • 仕事にもプライベートにも力を注ぎたいと思えず、でもSNSを見ていないと自分だけ取り残されてしまうように感じる。

人には人の地獄があり、誰もが日常のキラキラした部分しか表に出していないと理解していても、クォーターライフクライシスの時期には、特に多感になるものです。

ならばいっそのこと、SNSからしばらく離れてみませんか?

最近のウェルネストレンドとして注目されているのが、JOMO(Joy-Of-Missing-Out)=あえて取り残される喜び

「みんながやっている」という理由でイベントに参加したり、流行を追ったり、周りに合わせて頑張ったりするのをやめて、自分の手の中にある貴重な時間や力を、自分が本当に好きなことに存分に費やしてみるのです。

繋がりやすい時代だからこそ、意識的に繋がらない時間を作る。あえて「降りる」ことで、他人の評価に左右されない静かで確かな自分の軸や、自分の小さくも確かな声を見つけ出しやすくなります。

③失敗や間違い=実績解除!大切なのは「捉え直し力」

  • 過去の選択を間違えてしまったかもしれないこと
  • これから選び取る一手が間違いかもしれないこと
  • 何かに挑戦して失敗すること

これらへの恐怖や不安は、クォーターライフクライシスではより強く身に迫るように感じるかもしれません。それは、たとえば勤め先や人生のパートナー選びという、将来に大きく影響するであろう選択に伴うことが多いからです。

でも、恐怖や不安などの感情を「感じない」こと、たくさんの選択肢から「確実に正解を選びとる」こと、何も間違えず「一発で成功を勝ち取る」ことは、どれもほとんど不可能。つまり、人生において失敗も間違いも避けられないと言えます。

そうであるならば、失敗や間違いを捉え直す力や立ち直る技術を鍛えたほうが賢明ではないでしょうか? 失敗や間違いを避けられなくても、「目の前の経験をどう解釈し、何を学びとるか」「これからの選択にどう活かすか」は自分で決められます。

ちなみに編集部・アイは、失敗や間違い、そこからの学びを「実績解除」と呼んでいます。人生は新しい経験をする(=実績を解除する)ことにこそ、価値があると思うからです。仮にその新しい経験が、失敗や間違いだとしても。

▼こちらの記事もオススメ!

④どの苦労や責任なら引き受けたいと思うかを考えてみる

周りが結婚や出産など次々とライフステージを変えていく中で、一人の時間や、パートナーとの進まない関係性に、寂しさや焦りを感じることもあるでしょう。

でも、この記事を読んでいる皆さんもお分かりの通り、ライフステージが変わったからといって自動的に幸せになれるわけでも、それが自動的かつ永久的に続いていくわけでもないのですよね。

編集部・アイの持論ですが、何かを選ぶとは、どの苦労と責任を引き受けるかを選ぶこと

どの道を選ぼうといつか必ず後悔しますし、失敗したり地獄のような思いをすることもあります。だからこそ、選択肢を検討せずに急いで選ぶことは、自分が本来選びたくなかった地獄に自ずから足を踏み入れてしまうことにつながるのではないか、と思うのです。

幸せになりたい、幸せに生きていきたい、と願うなら、選択肢を検討したり、自分や相手と対話しながら少しずつ歩みを進めていく過程を飛ばすべきではありません。

寂しい。焦る。そう感じるなら、まずは自分自身や相手と対話してみませんか。よく話をしてみると、そう感じる理由は思いもよらないところにあるかもしれません。たとえば、「本当は今の仕事が嫌、だから結婚して”仕事を辞める理由”が欲しい」などのように。

“人生の踊り場”で、一つひとつ選び直していこう

クォーターライフクライシスとは、人生における踊り場のようなもの。平坦な道で足踏みしているだけのように感じるかもしれませんが、今まさに、自分の人生を真剣に生きようとしているのです。

こういった時期に必要なのは、焦って動き回ることよりも、SNSの喧騒から少し離れて自分の声に耳を澄ませること。要らない鎧やプライドを少しずつ剥がしていって、自分が納得できる責任を一つずつ選び直していきましょう。

その積み重ねが、誰のものでもない自分だけの確かな軸を作っていくはずです。

編集部・アイ

人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。

関連記事