
逆境を成長に変える“レジリエンス”。心の回復力を育む3つの習慣
Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】
仕事の失敗、人間関係のトラブル、予期せぬキャリアの壁……。私たちは、人生において必ず「逆境」に直面します。そんな時、「なんで私だけ?」と落ち込み、なかなか立ち直れずに苦しむのは、決してあなただけではありません。
大切なのは「ストレスに耐える力」を身につけることや「何があっても動じない強い心」を目指すことではなく、風にしなる柳のように「ストレスからしなやかに回復する力(レジリエンス)」を育むこと。
今回は心の回復力を育むために、誰でも今日から取り入れられる日常の習慣をご紹介します。
2026年、なぜ今「レジリエンス」が必要?

昨今、働く女性の多くは大きな変化を感じていることでしょう。副業やフリーランスなど、キャリアをより自由に選べるチャンスや選択肢が増えたからこそ、「この道で合っているのかな?」という迷いも生まれやすくなったり。
AIの活用が当たり前となりつつあり、便利な一方で「自分にしかできないことって何だろう?」と不安になることが増えたり。
アンラーン(これまで身につけた知識・スキル・価値観を、時代の変化などに合わせて手放すこと)を求められ、なんとなく「否定されているような感じ」を抱いたり……。
このように、変化が激しく“逆境”を経験しやすい時代に必要なのは、心の回復力・立ち直る力───心理学で言うところの「レジリエンス」です。
この力は、決して「我慢強い」とか「嫌なことを気にしない」ということではありません。むしろ、自分の弱さや傷つきやすさを認めた上で、そこからどうやって元の穏やかな状態に戻るか、という自分なりの「回復のコツ」を知っている状態を指します。
生まれつきの才能ではなく、日々のちょっとした習慣で誰でも・何歳からでも鍛えることができるのです。
心の回復力を育むと、もっと自由に生きられるようになる

心の回復力を育むと、私たちの毎日はどう変わるのでしょうか。
まず、失敗を極端に恐れなくなります。これは失敗が怖くなくなるというよりも、「たとえ失敗しても、私なら必ずまた立ち上がれる」という安心感が持てるようになるイメージです。
安心感があると一歩を踏み出すことがぐっと楽になり、「挑戦して良い結果を得られなくても、それもまた一つの経験」と思えるようになります。
ここ数年、編集部・アイも自分のレジリエンスを高める訓練を行っているのですが、周りの目や世間の「普通」に振り回されにくくなり、幸せを感じられる瞬間が増えたとも感じています。
失敗しても困難にぶつかっても、私には私がいるから大丈夫。そう心から思えるようになったことで、自分の価値観を軸に判断・行動できるようになり、結果的に幸せを感じられる時間が増えたのです。
自分自身を自由に認めていると、周りにも寛容になれたり、周りの幸せを素直に喜べる余裕も生まれるものだ、とも感じます。
エステやクリニックなどで外側を整えることで、自分を解放できる方も多いですが、精神的な「立ち直り力」を同時に鍛えると、さらに土台を強固にできるのではないでしょうか?
まずは、心の回復力を高める「土台」作りをしよう

心の回復力を育むには、まず心と体を健やかに動かせる「土台」が必要です。逆境に陥りにくい・仮に陥ってもしなやかに回復できる「整った心身」があれば、深刻なダメージを防ぐことができます(これを“予防的レジリエンス”といいます)。
簡単にいえば、問題が起こっても慌てないように、日頃から「折れにくいしなやかな自分」を作っておこうね、ということ!
その一番の柱となるのは、規則正しい健康的な生活を通して、自分との約束を守り続けることです。毎日を一生懸命に生きる女性たちは生活習慣や睡眠環境が乱れやすいですが、ここが崩れるとエネルギーが不足し、ちょっとしたことでも心が折れやすくなってしまいます。
決まった時間に起きて健康的な食事を摂り、決まった時間に眠るという「規則」は、一見窮屈に感じるかもしれませんが、脳に安心感を与え、集中するための活力を生み出してくれます。また、その自分との約束を守り続けることも、「私には私という人間がいるから大丈夫」という信頼にも繋がるのです。
心の回復力を育む3つの習慣
習慣①「リフレクション」で視点を変えて、落ち込みをチャンスに変えよう

心の回復力を育むための最初のステップは、思考のクセを整えること。
困難な状況に陥ったとき、私たちは「最悪だ」「もうダメだ」とついネガティブな言葉で自分を責めがちです。でも、言葉は思考を作り、思考はやがて自分の毎日を作っていきます。
そこで、思考のクセを整えるために、意識的に建設的な言葉に変える「リフレクション(肯定的再解釈)」を取り入れてみましょう。
⚫︎ピンチをチャンスに変える3行日記を書いてみよう
- 起きた出来事の“事実”だけを書き出す
- 例:会議でうまく説明できなかった。
- その時の気持ちをありのまま認める(無理にポジティブになろうとしなくてOK!)
- 例:すごく悔しいし、恥ずかしい。
- 最後に、それを前向きな言葉に変換して書き出す
- 例:自分の苦手な部分が分かったから、次はもっとうまく準備できる。成長できるぞ!
「失敗」を「データ」や「学び」と捉え肯定的に再解釈するクセをつけると、落ち込む時間が短くなり、次第に逆境=成長のためのステップと捉えられるようになるはずです。また、ストレスが心身に及ぼす悪影響をやわらげる手助けもしてくれます。
習慣②ノートを使い、「強み」と「回復プロセス」を振り返る

心の回復力を育むための2つ目の習慣は、ノートを使った「強み」と「回復プロセス」の振り返りです。
困難から立ち直る力が高い人・逆境を成長に変えられる人は、自分の強みや得意だけでなく、弱さや苦手なところも含めて「これが私」と受け入れています。
自分を誰かと比較して点数をつけるのではなく、自分の良いところを見つけたり、弱さをどのように補ったのか・困難に陥った際にどう回復したのかを振り返るなどして、自分で自分を応援する習慣を持ちましょう。
ぜひ、お気に入りのノートとペンを用意し、以下の方法であなたの「強み」と「回復プロセス」を振り返ってみてください。
⚫︎強みノートの作り方
どんなに些細なことでも良いので、日常的に下記の内容を具体的に書き留めておきましょう。1日の終わりに「今日の自分の好きだった部分」や「勇気を出してやってみたら案外できたこと」などを日記に書き留め、週末に強みノートへまとめるのも良いですね。
- 成功体験
- 人から褒められたこと
- 自分のお気に入りの部分(性格、考え方、なんでもOK)
- 「これ、好きかも」と感じた瞬間
- 困難をなんとか乗り切った時の姿勢や考え方、取り組み方
⚫︎回復プロセスの振り返り方
過去の大きな落ち込みや困難から、どのようなきっかけで・どのような行動をしたことで・誰に支援を求めたことで立ち直ったか、のプロセスをジャーナリングなどで振り返ってみましょう。
この回復のプロセスをいくつも振り返ってみると、自分に合った「パターン」が見えてくることも多いです。パターンが見えたら、次の困難に直面した際の行動指針としてみましょう。
「ジャーナリング」のやり方を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね!
習慣③「境界線」を引き、自分の時間とエネルギーを守る

3つ目の習慣は、「心の境界線」を引くことです。
心の回復力(レジリエンス)を持続的に高めるには、心身だけでなく人間関係や環境なども含めて、より良く生きるためのメンテナンスやアップデートが欠かせません。
たとえばスマホの通知や他人のSNS、膨大な情報、惰性で続けてきた悪習慣に振り回されて「自分を後回しにしている」「自分を痛めつけている」と感じるなら、自分の時間とエネルギーを守るための線引きをしましょう。
スマホの通知やSNS、情報から離れる具体的なアクションとしてオススメなのは、指定した時間以降はスマホを遠ざける「デジタル断食」。スマホを寝室や家族と過ごす場所には持ち込まず、目の前の景色や美味しい食事、大切な人との会話だけに集中しましょう。
他者からの評価を受ける場を遠ざけ、今の自分が感じている幸せを噛み締められる、静かな時間を持つこと。これが、心の回復力を育んでくれます。
そのほか、気が進まない誘いにNOと言う技術や線引きができる呼吸法は、以下の記事でご紹介しています。
しなやかな心を育て、どんな時もまた立ち上がれる私へ

心の回復力を育む習慣をお伝えしてきましたが、一番大切なのは、完璧にできなくても「それも正解」と自分を許してあげること。
私たちは、決められた通りに動かなければならない機械ではありません。やる気が出ない日や、立ち止まってしまう日があるのは、ごく自然なことなのです。
思い通りにいかない時は、まずは「新しい自分に出会うプロセスだ」と捉えてみましょう。その小さな積み重ねが、いつか訪れる逆境を成長へと変えてくれるはずです。
編集部・アイ
人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。

