
「なんとなく」が運命を滞らせる。クローゼットから始める手放し術
Poco’ce編集部が月曜8時にお届けする連載、【さあ、今週もわたしのために。】
気温や風の匂いが迫りくる季節を告げる、3月。新年度を前にして、焦りを感じている方もいるでしょうか。なんとなくここまで来たけれど、次の1年も同じ日々が続くのだろうか。なんとなく続けてきたけれど、本当に今のままでいいのだろうか、と。
もしかすると、その「なんとなく」が、あなたの運命を滞らせているのかもしれません。
今回は、「なんとなく」の選択が自分の価値を決定づける理由や、クローゼットの中身を7割手放す方法をご紹介します。
「なんとなく」が自分自身の価値を決定づける!?

選択疲れが「なんとなく」を招く
クローゼットの中に広がるたくさんの服を前にしても、「今日着たい服が見つからない……」「着てもまったくワクワクしない……」と感じたことのある女性は少なくはないでしょう。
なぜ、私たちはこんなにも「なんとなく」の服を溜め込んでしまうのか。それは、日々の忙しさの中で、選択することに疲れてしまっているから。人間が一日に判断できる回数には限りがあり、回数を重ねるほど正常な判断がしにくくなっていきます。
選択疲れは
- 安いから買っておこう
- なんとなく必要になりそう
- とりあえずこれでいいや
という妥協を招き、その上「なんとなく」クローゼットの中に置いたままにしてしまうのです。それもそのはず。不要なものを選んで捨てるにはさらなる選択をし、負荷を背負わなければならず、疲れている時には耐えられません。
なんとなく選ぶと、なんとなく選ばれる?
でも、ここで立ち止まって考えてみましょう。精神科医のウィリアム・グラッサー博士が提唱した選択理論によれば、私たちのあらゆる行動は自らの選択の結果であり、その選択が自分の価値を決定づけます。
「なんとなく」で選んだものを身につけていると、あなたが自分自身を「なんとなく」の存在として扱うようになってしまうのです。すると、「なんとなく」買いから抜け出せなくなります。
たとえば、安さを理由にとりあえず買った服。
もちろん、ファストファッションやセール品を通じてトレンドを賢く取り入れることは素敵です。しかし、とりあえず買った服に袖を通す時、あるいは洗濯やケアをする時、その服をどう扱うでしょうか。服の扱い方が、自分自身の扱い方とリンクしてはいないでしょうか。
こういった自分自身の扱い方は、不思議なことに周囲にも伝わります。身につけているものへの想いや愛着、振る舞いが、「周りがあなたをどう扱うか」を決定づけてしまうのです。
つまり、なんとなくで選ぶと自分自身をなんとなく扱うようになり、さらには周りからも「なんとなく扱われる」ようになってしまいます。
「なんとなく」を手放すと起こること
ここまでお伝えしてきたことに当てはまるなら、まず自分の軸や判断基準を明確にし、
- 軸や基準にフィットしないもの
- とりあえず買っておいたもの
- もったいない、という理由で手元に残しておいたもの
- なんとなく保留にし続けてきたこと
を、思い切って手放してみませんか?
自分に必要なものや心からワクワクするものだけでは心許ない、手放さなければよかったと思うかもしれない──そう不安な方もいるかもしれませんが、心配しなくて大丈夫。
編集部・アイも経験がありますが、手放した後はむしろ、
- どうして早く手放さなかったんだろう!
- スッキリして気持ち良い!
- 自分自身の「好き」や「やりたい」がクリアに見える!
- 自分のことがもっと好きになった!
- 自分をもっと大切にしてあげたい、幸せにしてあげたい!
という気持ちで胸が満たされることでしょう。すると、自分の扱い方が変わり、周りからもさらに大切にされるようになるのです。
【Step.1】手放す前に「ありたい自分」を明確にする

手当たり次第手放すのではなく、まずは「どんな自分を、人生を、これから生きていきたいか」を書き出してみましょう。自分の軸となる譲れない価値観や信念、ライフスタイル、住んでいる場所、就いている仕事などです。
書き出す方法は、以下の2記事をぜひ参考にしてみてください。
また、「どういう人間になりたいか分からない」「今不安や心配事でいっぱいいっぱいで、将来のことを考えられない」という方は、その気持ちをジャーナリングで書き出してみましょう。
【Step.2】7割を手放す気持ちで挑む

大切にしたい軸や価値観、信念、ライフスタイルなどの判断基準を明確にしたら、【小さく・短く・基準で決める】を合言葉に手放しを進めていきます。
この合言葉は過去記事(「何を捨てるか」から始めない断捨離・準備編。“5領域”で理想の自分に近づこう)でくわしくお伝えしているのですが、要は【時間を決めて小さい範囲から着手し、基準に則り手放そう】という意味です。
そして取り掛かるときには、持っているものの「7割」を手放すくらいの気持ちで挑んでみましょう。自分の基準に本当に沿っているのか、自分はそれを大切にできているか、これから大切にしていけるかを、真剣にジャッジしていきます。
- 軸や基準にフィットしないもの
- とりあえず買っておいたもの
- もったいない、という理由で手元に残しておいたもの
- なんとなく保留にし続けてきたこと
などは思い切って手放してみて。不安なら「保留用の箱」にまず入れるだけでもOK!
結果的に手放すものが少なかったなら、「自分の基準やワクワク、心地よさに沿ったものを多く持っていた」ということ。それはとても素晴らしいことですよね。
【Step.3】過去の自分に引き戻す情報を手放す

クローゼットの中身の手放しと並行して行いたいのが、情報のデトックス。
現代人は、たとえば骨格診断、パーソナルカラー診断、顔タイプ診断、MBTI診断といった、自分を知るためのツールを容易に試すことができます。
しかしあまりにも多くの外部情報を取り入れすぎて、逆に
- 自分に何が似合うのか分からない
- 何が好きなのか、どうなりたいか分からない
- 好きじゃないけど、とりあえず買ってみるべき?
と悩む方も少なくありません。
本来、それらのツールで導き出せるものは“選ぶべき正解”ではなく、“自分を表現するための一材料”。Step1で明確にした理想の自分像や好み・強みを踏まえて、材料を取捨選択し、どう調理するかを考えたいですよね。
特に上記の診断を済ませている方は、診断に関連する情報や流行を追うことを一度やめてみませんか。SNSの仕様上表示されてしまうなら、一時的にアプリをアンインストールしたり、ブラウザから毎回ログインしないと閲覧できないようにするのもオススメ。
なんとなくを手放して「さあ新年度から新しい私として生きていくぞ!」と意気込んでいるときに、過去の自分に引き戻すような情報を取り入れる必要はありません。
不要なものを剥がし、心のときめきやワクワクに耳を傾け、すでに持っている材料とこれから手に入れたい材料で、未来の自分をどう作っていくかを考えてみてください。
【Step.4】手放した後の気持ちとクローゼットを見つめる

「7割も手放せば、手放さなければよかったと思うかも」と不安を感じる方に対して、手放した後はむしろ、
- どうして早く手放さなかったんだろう!
- スッキリして気持ち良い!
- 自分自身の「好き」や「やりたい」がクリアに見える!
- 自分のことがもっと好きになった!
- 自分をもっと大切にしてあげたい、幸せにしてあげたい!
と感じるはず、と冒頭でお伝えしました。
ものや情報を手放した後のStep4では、そういった気持ちを「しっかりと感じ切る」ことが重要です。
理想の自分のために、そして今ここにいる自分自身を大切にするために、不要なものを選び取ると決め、実際に行動に起こした後。ものが減ったクローゼットを見て胸がスッキリするのと同時に、じわじわと嬉しくなるはず。それは、自分が自分の幸せのために行動してくれたからです。
自分の心や身体からのサインをしっかりと受け止めると、過去のように「とりあえず」「なんとなく」で買うことが減り、自分の価値に見合うものだけを選び取れるようになっていけます。
また、流行や他人の目、世間の常識といったノイズを削ぎ落とした先に残ったクローゼットの中身を、改めて見つめてみてください。それが今のあなたの本質と理想のあり方を映し出しているはずです。
「なんとなく」を手放して、新年度を気持ちよく迎えよう

「なんとなく」で選んでいたものを手放すことは、日々のなんとなくの選択や、自分をなんとなくの存在として扱うことをやめる、という決意でもあります。
クローゼットに7割の余白を作ると、本当は身につけたい服、本当は選びたい道、本当は大切にしたい自分の姿が、よりクリアに見えてくるはず。
新年度ではそれをぜひ、選び取ってみてください。その行動が、もしかするとあなたの運命を動かすかもしれません。
編集部・アイ
人間への好奇心と実験欲にあふれるライター。人生の“ままならなさ”は生きる醍醐味。今まさに読んでくださっているあなたと「ままならないね〜」と分かち合い、「まあでも頑張るか!」と肩を組めるような言葉を紡ぎたい、と常々思っている。

